高尾山古墳(静岡県沼津市)と都市計画

昨年9月5日。「沼津港みなとまちづくり推進計画」を検討する会議に出席しようと沼津市を訪れた際、隣の会議室がザワザワしているので何か重大事でもあったかと尋ねてみると、ちょうど、都市計画道路整備中にみつかった高尾山古墳の取り壊しを市長が撤回したあとはじめての協議会が開催されるとのこと。
この高尾山古墳。卑弥呼の墓とみられている箸墓古墳と同じ250年ごろの造営と考えられ、当時、邪馬台国と対立していた「狗奴国(くなこく)」の王だった卑弥弓呼(ひみここ)の墓ではないかと、にわかにその重要性(重要である可能性)が高まり、協議会において墓の保存と都市計画道路整備を両立させる代替案の評価作業が進んでいます。2月13日(土曜)には「第1回 狗奴国サミット」が開催されるまでに話は発展。

都市計画的にも興味深い話題なのですが、気になるのは、狗奴国の卑弥弓呼がおさめていた都市(都市的様相をもった集落)がもしあったとすると、今まで日本最古の都市と考えていた「纏向(まきむく)遺跡」(⇒関連記事。奈良県桜井市)が、日本最古でなくなる可能性があるのでは、などどいう点です。昨日の東京新聞記事からみると、現在のところ古墳そのものだけに人々の関心は向かっていて、日本最古の都市の可能性について考えている人がいるかどうかは不明です、、、墓の規模は大きくはないので、そんなことはないと思いますが。

[関連記事]
纏向遺跡 (都市イノベーション読本 第80話)
http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20130205/1360047676

[1/29追記:墓に迫る都市計画道路事業(東京新聞1.27記事にリンク)]
http://www.tokyo-np.co.jp/article/metropolitan/list/201601/CK2016012702000192.html