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「都市イノベーション・next」(全100話)スタート

アジスアベバ開墾(5) : 中産階級化の兆候〜21世紀後半に向けて

安全上の問題から多くの途上国において閉鎖的な開発(ゲイティッド・コミュニティー=要塞都市化)がひろがっています。「共生都市」アジスアベバでは以下のような中産階級化のあらわれが観察できますが、現在のところ、開発形式はオープンで、それをガードマンや警察官らのソフトウェアで補完している感じです。商業モールの入口では必ずボディチェックを受けます。

まず、空港のあるボレ地区には多くの大使館が立地するなか、(観察するに)ここ数年で多くの中規模商業モール、複合施設、ホテル、マンションなどが建設されています。開発規模は大きくはなくそう高くもなく(せいぜい10数階)、基本的に低層階に商業・サービス・オフィス機能を抱えつつ街並みを形成。コンテンツのレベルがあがるほど車利用が多くなり建物前が混雑していますが、まだ深刻な状態には至っていません。角にあるテラスでおいしいエチオピアコーヒーを飲みながらくつろげるその雰囲気は、なかなかのものです。あえていうと、代官山を少し上に積み増しつつ複合度を高め、少しゴチャゴチャさせた感じでしょうか!??
ボレ空港から都心部に至る「アフリカ・アベニュー」の通り沿いは建設ラッシュ。これから数年のうちに大きく変貌しそうです。特にこの通りはアジスアベバに出入りする世界の人々が第一印象をもつはずの通り。建築工事ばかりでなく、沿道のいたる所でインフラ設備関係の工事も行われています。いくつかの大使館(日本大使館含む)、カフェ、中小規模のスーパーマーケット、レストラン、ホテルなどが並びます。
「郊外」といえる地域も急速に変貌しつつ拡大。まだ300〜400万人都市であることから、そのスピードは驚愕するようなものではありませんが、近い将来に向けて大都市圏計画が重要な時期になっていることは間違いありません(⇒(3)へ)。ライトレール東西線に乗って東の郊外までいくと、周囲には中規模の中・高層開発がたくさんみられます。

中産階級化という意味で今後注目されるのは、国内的には現在まだまだ低い都市化率がどう推移するか。国連と共同で出している最新の「Ethiopian Urbanization Review」の推計(想定)によれば、現在20%弱の都市化率を、2025年に30%弱と想定しています。過去の他国の経験によれば都市化率の上昇と平均所得の上昇とに正の相関がみられるようです。この間、現在労働力となっていない若い世代(⇒(2)へ)が労働年齢に達し、1人当り平均所得も2025年時点で2000ドルの手前までいくであろう、との想定です。(現在は500ドル程度。目安として2000ドルを超えると「中所得国」)。
国際的には、ボレ空港がアフリカのハブ空港であるのと同時にアジスアベバがアフリカのハブ都市として「“常春の”高原都市(⇒(1)へ)に住んでみたいね、そこで仕事もしたいね、一度は行ってみたいね」などとなり、安全も評価されて、他にはないタイプのグローバル都市になっていく可能性を感じます。2025年から2050年へ。そして2100年へ。

アジスアベバ開墾・おわり〉