タタミカプセルホテル(京都と都市イノベーション(その3))

京都駅にほど近い七条通り。あまり高い建物が無い中に、ほっそりと立ち上がったその建物は、世界初の“タタミカプセルホテル”。もともと外国人観光客が多かった京都にさらに外国人客が急増。いかにも日本的な「カプセルホテル」という発明(?)に、別の意味でこれぞ日本といえるタタミを組み合わせるとは、、、(唖然)。
京都の都市イノベーションで秀吉をテーマにした(その2)の次がタタミカプセルホテルというのもとても勇気が必要ですが、それだけ、このところの宿泊施設等の急増は、京都の風景を大きく変えているのではと直観します。
町家型宿泊施設も急増。
京都市で許可を受けた宿泊施設は京都新聞によると、2013年度が48件、14年度79件、15年度246件、16年度7ヶ月間で396件(単純に1年分にすると約680件)。うち町家型のものが年度別に8件、25件、106件、132件(年間に直すと226件)。町家は何万とあるため割合でみると多くはないように見えますが、町を歩くときわめて多くなっていると感じます。「カプセルホテル」に「タタミ」風に表現するなら、「純粋町家」に「多国籍短期居住」。使い方に相当な気を使っていることも観察できます。
町家だけでなく近代建築や寺社仏閣が街並みを構成し、通りから一本入るといかにも京都風な風景。そうした中に新たな要素が増加するとともに、全般的な観光地化等によって、都市イノベーションがジワジワと起こっているように思います。そのエネルギーは秀吉が京の街全体をつくりかえた規模には比較しようもありませんが、宿泊施設、町家バル、学校も含む近代建築の再生利用、新たなサービス施設(着物レンタルなど)、空地上のカフェ等々によって、「京都」の街はさらに一歩進化しつつあるようにみえます。

[関連記事]
・京都と都市イノベーション(その2)
http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20160912/1473662656
・京都と都市イノベーション(その1)
http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20130305/1362457545