八戸からいわきまで・2018春(2)

2018年4月1日、嵩上げされた新市街地に、「JR陸前高田駅」がオープンしました。被災した場所から内陸寄りに移動しています。ちいさな駅舎は前駅のイメージを引き継ぐもので、窓口も設けられています。駅前広場はこれから工事が行われ(今は場所だけとられている)、2018年9月にオープン予定。レールの無いBRT(バス)による運用ですが、「陸前高田駅」ができたことは、復興が進んでいる象徴のように感じます。
2年前、延々と高く盛られた土砂を見上げながら、どうしても計画に描かれた復興の姿を想像できなかった自分。
その2年後。嵩上げ部分が平らにされて新たな大地となり、中心部には昨年4月、図書館も組み込んだショッピングセンター「アバッセたかた」がオープンし、その周囲には新たな店舗等が建ちはじめました。公園には三世代で楽しむ市民の姿も。
2年後の2020年をイメージできる段階まできました。丘陵部から降りてくる幹線道路や、丘陵部を横断する新しい道路もかなりできてきたので、都市としての全体のつながりも感じられるようになってきました。

2年前に三次元の復興の姿がどうしてもつかめなかったもう1つの町、志津川
その志津川も、特に、区画整理事業の範囲の川の東側の整地が進んで新しい地盤があらわれ、「まちなか再生計画」の中心施設「南三陸さんさん商店街」が昨年3月にオープンして多くの観光客でにぎわっています。低地部はこの施設も含めて非居住地とされました。
これに対して、町民の復興はむしろ国道45号線に沿って、復興計画で「新志津川駅」と想定していたあたりに至る区域や、台地上の都市機能集積区域などが中心になっています。
前者の目玉は昨年7月にオープンしたスーパーマーケット(アップルタウン)。それまで町外の遠くまで買い物に行っていた町民にとって待望の施設。区画整理事業の申出換地で産み出した大きなブロックへの出店です。また、後者の区域でも高台移転した新町役場が昨年9月にオープン。他の都市機能とともに、町の中心性を高めています。
現在、この2つの区域を直接結ぶ道路の仕上げ段階で、これができると、町の主要部の一体感が出てくるものと思われます。これらを結ぶBRT(バス)の新駅や新ルールも先日発表されました。

以上のように、2年前に最も想像が困難だった、大規模な嵩上げを伴う2つの町の復興がここまできました。
2年前に「もう少し時間がかかりそう」としていた大槌も、嵩上げされた町中に多くの建物が建築ラッシュで、2019年3月に復旧が決まったリアス線の鉄道新駅のプラットホームや線路、駅前広場が姿をあらわしています。

[2年前の状況]
・八戸からいわきまで・2016春(その1)
http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20160315/1458029813

[参考]
【統合ファイル】東日本大震災復興
http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20120305/1330943180