『The New Arab Urban』

副題「GULF CITIES OF WEALTH, AMBISION, AND DISTRESS」と合わせても内容はすぐにはわかりませんが、内容的には、本ブログの「ドバイ開墾(1)~(10)」で2015年にとらえていたものと重なります。

編著者がHarvey Molotch and Davide Ponzini、ニューヨーク大学出版、2019年刊。

 

ドバイをはじめとする中東の諸都市については賛否両論の議論がありますが、ここでは、この地で行われているさまざまな都市開発が世界にとっての都市イノベーションであり、地球上にこうした地があることによって~そしてそこは地球上のヘソのような場所でどの地点からも割と容易にアクセスできることによって~既存の都市ではできないようなさまざまな試みがなされているとみています。日頃馴染んでいるパラダイムからみれば理解できなかったり問題だらけに見えるかもしれないけれど。

序章に続き、4部12章構成。

第一部は「The Gulf as Transnational」。文字通りの内容です。

第二部は「Assembling Hybrid Cities」。実際に理解したりつくったりする話。都市計画・都市デザイン的には、サウジアラビアのジュバイル市センタープランにかかわった筆者が、自分の背負うデザイン様式と発注者の考えをすり合わせながら新たなデザインへと落とし込んでいく場面が語られていて、直観的な理解が得られます。

第三部は「Urban Test Bed for Export」。いわゆる都市輸出がテーマ。

第四部は「Audicity, Work-Arounds, and Spatial Segmentation」。最後に「結論」の章がつきます。

 

「都市イノベーション・next」を考えるうえで欠かせない図書ではないかと思います。

 

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・「ドバイ開墾」 (2015.9)
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