高輪築堤 (品川フィールド(その6))

今朝の朝日新聞をパラパラめくっていると、文化面に、「高輪築堤 保存どうなる」との見出しで大きく高輪築堤の最新情報が整理されていました。「保存」そのものについての情報も重要そうですが、いくつか(主観的に)注目される点を書き留めます。

 

第一。記事上に出ている(白黒の)三代歌川広重による1872年ごろの浮世絵「東京品川海辺蒸気車鉄道之真景」そのもののおもしろさ。このタイトルでネット検索するとさらに「本物」に近い浮世絵が出てきます。

第二。記事にも書かれている、この浮世絵にも描かれている「漁師らの船が築堤をくぐり抜けて沖に出られるように設けられた橋梁の遺構」が実際に掘り出されていること。これは、JR東日本ニュース2021.4.2号(https://www.jreast.co.jp/press/2021/20210402_ho03.pdf)に写真が出ており、ついつい、浮世絵と写真とを比較したくなります。写真のほうは海面下の構造と思われる部分も見えているので、ますます興味が湧きます。ただし、後に補強したりしたかもしれず、文化財としてどう位置づけられるのかに関心が湧いてきます。

第三。その「JR東日本ニュース」1ページ目に描かれている「築堤想定位置」。あくまで「想定」図ではありますが、現在進められている開発エリア全体にまたがる線状の長~い施設です。朝日新聞の記事には原武史教授の「高輪築堤は全容がわかる形で保存してこそ意味がある」「築堤を生かした町づくりや再開発を模索することはできないか」とのコメントがあり、それをイメージしただけでもワクワクします。

第四。その保存(・活用)方法。範囲。見せ方(活用の仕方)。今朝の記事では、「橋梁と堤の一部のみの保存を目指す開発事業者のJR東と、遺跡の全面保存を主張する研究者の間でせめぎ合いが続いている」と表現されています。これまでになかったイノベイテイブな方法も含めて、かつ、どのような意義・意味をそこに込めるかも含めて、どう「せめぎ合い」が突破できるか。しうるか。すべきか。

 

「品川フィールド」の重要な1コマに加えます。

 

品川フィールド(その5)