「無人コンビニ」

新型コロナが引き金となって、これまでの「土地利用」のアイテムが大きく変化しています。「オフィス」や「マンション」は大きく変容しはじめ、街の中の「書店」や「銀行」の存在感が薄くなり、小規模化した「ATM」でさえ不要となってパン屋さん(特定商品の販売のみ)などが続々と出店し、、と、どこまでいくのでしょう。逆に、個人レベルからみると、現金は使わなくなり、食料品・日用品から調理品、本から家具、家電、などのほとんどのものが配達されるだけでなく、オフィスに行かずにかなりの仕事もできるので、「家」の中に商店街もオフィスもかなりなにもかもあるような状態に近づいているようにも思える。こうして「土地利用」自体が激変すると、「モビリティ」も激変しているのでしょう。既に激変しているので、10年後、20年後の「都市の土地利用」はどうなっていくのか。

 

昨日の日経新聞にも、「「無人コンビニ」続々」「生活圏の小型店続々」「ウーバーイーツ、徒歩宅配を導入」などと、「土地(建物)利用」の変化や「モビリティ」の変化の断片が紹介されていて、特に「無人コンビニ」に刺激されました。

「無人コンビニ」というと、「高輪ゲートウェイ駅」にできた「コンビニの自動化」のような姿や、「売らないコンビニ(街の中で商品基地だけの役割を果たす)」「駅中の極小規模店舗」などがありましたが、日経に出ていた写真は「自動販売機」に近い。既にさまざまなものが出回っているようですが、昨日の記事ではオフィスやマンションの共用スペースに置くタイプのものでした。

これは新種の「自動販売機」だ!

自動販売機は日本にはとても多い。世界一多い気もする。いや、もしかすると日本の自動販売機は商店街かもしれない。いや、「街」というより「商店」である。

などと考えたついでにざっくり調べてみると、、、。日本の自動販売機500万機で売り上げ5兆(1機当たり100万円)、参考のためコンビニは5万軒で10兆(1軒当たり2億)。自動販売機はコンビニの200分の1しか稼げないけれども100倍あるので総額はコンビニの2分の1も稼いでいる。今、普及しだした「自動販売機風無人コンビニ」が近い将来250万機(←少し多めにしておく)入るとすると、自動販売機の2倍稼げたとして売り上げ5兆円。これで、「(仮称)自動販売機連合(無人コンビニ含む)」が10兆、コンビニ10兆。ただし、人口は減少し消費総額はそれほど動かないとすると、パイの再配分にすぎず、たとえばコンビニは全部無くなり(仮称)自動販売機連合に置き換わる。

 

また別の見方もできそうです。これは「集団取り寄せ型ウーバーイーツだ」!

最近、ウーバーイーツタイプのビジネスではコンビニやスーパーの品物や、果ては「何でもピックアップして持って行ってあげます」というものまでさまざまなので、「無人コンビニ」はその変形バージョンともいえる。「無人コンビニ」というより「個人コンビニ」。消費者が徒歩0分で済む一方、配達側にモビリティが発生する。

「生産」「流通」「交通」「配達」「卸売り」「小売り」「サービス」「情報」「生活」「仕事」「娯楽」、、、考えただけで、無限のビジネス、無限の生活スタイル、無限の土地利用の可能性が今後もどんどん広がりそうです。

 

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