「京の台所錦」(錦市場のオンラインショップ)が2021.6.24にオープン

12月6日にBS11で放映された「若冲が愛した錦市場~存続の危機と繁栄の歴史~」では、錦市場が何度も「存続の危機」を迎えつつも、そのたび地域が団結して立ち上がってきた姿が描かれました。その中で、このたびの新型コロナの大打撃から立ち直ろうと、オンラインショップを立ち上げたとの話がありました。

「あの錦市場がそこまでやるの???」と関心をもちHPを見てみると、「錦市場」と並ぶブランド「京の台所錦」が立ち上がっており、「お買い物代行デリバリー」という入口もできています。

 

せっかくだからと「京の台所錦」に入り、京野菜漬物の桝悟さんの漬物を注文してみるとすぐ届き、少しずつ味わっています。これはいいなと、今朝は、「お茶とせんべい」を組み合わせて注文してみたところです。このように組み合わせはじめると、あたかも市場の中でいろいろなものを物色しているような気分になってきます。このサイトには「お歳暮特集」や「おすすめ」「厳選セット」などの工夫が凝らされていて、次は何にしようかと考えたりしています。今度実際に京都に行ったときは、気に入った店も増えていると思うので、「オンラインでおいしかったので来てみました」などと会話する楽しみも倍増!

 

さて、以下ではこの「京の台所」の仕組みを少し想像も交えて書き記します。

第一。荷は「京都錦小路まちづくり合同会社」から送られてきました。個別商店でも「全国発送」などをやっていると思いますが(それに並行して??)「京の台所」として商品を一括して扱い(ディスプレイ上に並べておき注文が入るごとに当該商店から集めているのか/何らかの集荷場のようなものがあるのかは不明)、いろいろなテーマを設けて、消費者が市場に来ているかのようにワンストップで商品を購入できる。文中にも書いたように「お茶とせんべい」などと込み合わせて注文すればグッと錦市場が身近になる。

第二。単なるオンラインショップではなく、「京の台所」も「錦市場」と同様に独立した商標登録となっていて、京都錦市場商店街振興組合が両者を運営している。

第三。荷には、錦市場マップが入っていました。「メニュー」そのものではありませんが、各店が電話番号入りでズラ~ッと並んでおり、さっそく京野菜漬物のその店にマルをつけました(この店は本店と東店の2店舗を構えている)。

第四。こうした仕組みの構築はかなり力のある商店街でしかできないかもしれませんが、オンライン専門の会社を立ち上げて雇用の場とするとともにHPの持続的工夫などにより「旬なもの」「テーマ」「詰め合わせ」などのアイデアを磨き、場合によっては実際の商店街にはない魅力も付加され、「対面かオンラインか」ではなく「対面もオンラインも」揃うことで多様なお客様に喜んでもらえる可能性があるのではないか。(1つの商店街ではできなくても、地域連携して共同でできる業務を共通化するなどで新しい“商店街”ができないものか。)

第五。「旅行」も可能性が広がりそう。商店街に限らず、「対面」と「オンライン」がハイブリッドになる。祇園祭なども新型コロナによりいくらかそうした面が出てきているのでは。「秋の特別拝観」などもそうです。オーバーツーリズムがもっとオーバーになる可能性もなくはないのですが、よくいえば過度な集中を分散させつつ多様なファンが“背後に”しっかりついているようなハイブリッドな構造が強まるかもしれない。

 

最後に。以下は、錦市場に関する昨年度の研究成果です。ちょうど1年前の師走のお忙しい時期にもかかわらず、ご協力くださった錦市場商店街の皆様に感謝いたします。

[横浜国大リポジトリへリンク] 頁なかほどのタイトルの下に「pdf」ファイルがあります。

https://ynu.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=11133&item_no=1&page_id=59&block_id=74

 

 

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 本記事を「ポスト・コロナ社会の新ビジョン」に追加しました。

https://tkmzoo.hatenadiary.org/entry/2020/05/05/121753