「国際観光温泉文化都市」伊東の「別荘」について (都市は進化する106)

先週、伊東市の仕事で伊豆に行く機会がありました。伊東市は「国際観光温泉文化都市」という特別な都市計画を行っていることについては本ブログで昨年紹介しましたが(⇒関連記事)、別荘の多いこの都市は、新型コロナでどのような影響を受けているのだろうかと気になっています。実際には、「気になっている」どころか、「別荘」の実態についてほぼ何も知らない。ほぼ何も知らないのに今回の「立地適正化計画」の議論の中でも「最近市内では空き家がかなり多くなっている」ことが話題になり、「別荘」は「空き家」とどう関係しているかなどのように、かなり初歩的なことを知らない問題を感じるようになりました。

そこで手始めに本日は、「別荘」を切り口に、「伊東市がどのように特別か(特殊か)?」を見てみることに。

ここでは、2013(平成25)年住宅・土地統計調査結果 ( 総務省統計局 ) を用いた、「関東およびその近県の」市、区及び人口1万5千人以上の町村に限り「別荘」割合を出した研究(2019年、千葉大の河村建による)を使わせていただきます。「二次的住宅」がほぼ「別荘」に近い数字であるとして「住宅総数」、「二次的住宅数」、「二次的住宅割合」の順に、「別荘」割合の高い順に並べます。

 

軽井沢町(長野) 27570 16300 59.12%

那須町(栃木) 16880 7360 43.60

北杜市(山梨) 31620 9840 31.12

茅野市(長野) 34720 10350 29.81

熱海市(静岡) 38040 10190 26.79

伊東市(静岡) 48940 11900 24.32

 

そうか。伊東市は「関東およびその近県」で6番目に「別荘」率が高く、量でみると最大量に近い数が市内にある。4戸に1戸は「別荘」というのはかなり高い。

こうした「別荘」は「空き家化」時代にどうなっているのか。逆に、新型コロナによってその位置づけは変わっていないか(定住用に変化しているなど)、、、。

さらに続きをみると、

 

猪苗代町(福島) 6230 1230 19.74

伊豆市(静岡) 18120 3540 19.54

勝浦市(千葉) 13730 2390 17.41

函南町(静岡) 18630 2530 13.58

湯河原町(神奈川) 16800 2100 12.50

南房総市(千葉) 19990 2180 10.91

鴨川市(千葉) 19600 2110 10.77

いすみ市(千葉) 20350 1980 9.73

鉾田町(茨城) 18760 1820 9.70

伊豆の国市(静岡) 24930 2410 9.67

 

このあとは少し空いて7%台となるのでこの辺にしておきます。

ここまでの16市町のうち、多い順に静岡県5、千葉県4。これら2県は気候も温暖で、熱海も伊東も「国際観光温泉文化都市」、函南町・伊豆市・伊豆の国市には温泉も湧く。どちらかというと「遠くの別荘地(避暑地)」というより「新近郊」。

「別荘」「空き家」「コロナ」「新近郊」をキーワードに、しばらく、こうしたユニークな都市の可能性について追及してみたいと思います。

 

[関連記事]

・国際観光温泉文化都市

https://tkmzoo.hatenadiary.org/entry/2021/01/30/124327

 

🔖検索 「別荘」「軽井沢』

 

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https://tkmzoo.hatenadiary.org/entry/2020/05/05/121753