Views of Different Countries’ Influence(世界に対するその国の影響)

最近出版された『Phronesis』No.23(特集 : 2050年、社会課題の論点 イノベーションで社会変革を先駆ける。2022.11.16発行)に、「世界に対する影響(ポジテイブ/ネガティブ)」という興味深い図が掲載されています(p14)。

出典はBBC Poll「Views of Different Countries’ Influence」とされ、それを基に「MRI作成」とあります。MRIは三菱総研のことですが、「それを基に」どう作成されたかは示されていません。ここで使われているBBC Pollが何年公表のものか、どのような調査によるのかなども不明です(注1)。ネット検索により過去のBBC Pollの結果がいくつか出てくるのでいくらか類推できますが、ここでは、1から調査しなおすことは断念し、『Phronesis』No.23に出ている内容からポイントのみ紹介します。ただし、「ポジテイブ」「ネガテイブ」との表現は、過去の調査年の原文から考えると「mostly positive」「mostly negative」の訳と考えられる点だけ注意してください。

さて、他国はさておき、「日本」だけみると、(図に示された16か国+EUの17件)上から3番目となっていて、「ポジテイブ」56、「ネガテイブ」24(どちらでもないが100-56-24=20あると考えられる(注2))。差をとると56-24=32。この+32という数字がとても高い(ポジティブが高くてもネガティブも高いと差し引きゼロ内外となってしまう)。[たまたまアップされていた3時点の結果は、2012版1位(「ポジテイブ」58、「ネガテイブ」21)で差引き+37、2013版4位(「ポジテイブ」51、「ネガテイブ」27)で差引き+24)、2014版5位(「ポジテイブ」49、「ネガテイブ」30)で差引き+19)ということから、あまり安定していないとも言えそうだが、大局的には一定の傾向がありそう]

解説では、日本は「経済力や軍事力などのハードパワーではなく、文化や政治的価値観、政策の魅力を訴えることによるソフトパワーで、国際社会から支持を獲得してきた」とされます(p14)。「都市の」影響とは書かれていないものの、「ポジテイブな影響」をより意識することが、これからの都市政策・都市計画にとっても重要になりそうだと感じ、できれば原文を(できれば経年的に)見てみたいと思うところです。

 

 

(注1) 2013年版の説明では、16か国を評価するために世界の25か国の26000人以上への質問調査を実施したとされる。

(注2) 2014年版の説明では、「どちらでもない(中立)」に加えNA(回答ナシ)なども含まれる。結果的に「どちらでもない」という説明でよいのではと思われる。

 

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