2023年3月18日の鉄道ダイヤ改正と都市の進化 (都市は進化する117)

先週、「相鉄東急直通フオーラム(2022.8.19)」でお世話になったHさんから、直通となるダイヤ改正の日が2023年3月18日に決まったとの連絡がありました。

どれどれ、とネットを見てみると、JR各社もこの日を次のダイヤ改正日として発表しており、せっかくの機会なので、「鉄道のダイヤ(一斉)改正が都市の進化に及ぼす影響」につきまとめてみようと思い立ちました。昨日の「デジタル田園都市」ともからめるともっと大きな話になりそうですが、ここでは超主観的にいくつかの側面につき簡単に整理します。

 

第一。「相鉄東急直通」により沿線価値が高まるきっかけとなり(郊外の方から混雑した列車がくるのは迷惑だとする方も多いのだが)、地域活性化のきっかけとなりうる。相鉄東急直通線は新横浜を経由するのも大きな目玉で、アクセス向上による生活の自由度の増大が魅力である。それは新幹線の利用のしやすさなどに波及効果があり、都市の進化という観点では重要。また、「新横浜」という街自体の活性化・進化のきっかけにもなると期待される。マクロにみると、首都圏の中に「新しい沿線」が生まれ選択肢が増える効果があるともいえる。

第二。速達化。ダイヤ改正の多くの部分がこれに関連している。例えば東海道新幹線ができた当初、東京-大阪間は3時間10分(それ以前は6時間半)だったものが、現在2時間30分を切っており、さらに今回、特に名古屋-新横浜間で3分短縮する部分を設けるなど、都市間の時間距離がかなり縮まっている。ダイヤ改正1回ごとの短縮は「小出し」としても、10年単位で考えるとかなりの接近となる。リニア新幹線ができると「3大都市圏が一体化」するほどの力が働くことが予想される。応用として、新幹線通勤時間短縮の効果。この点の今回の改正は小規模なものですが、リニア新幹線ができるとダイヤに余裕が出てくるので、朝夕の新幹線通勤の幅がぐっと広がり、リモートワークも含むハイブリッドなワークスタイルとの相乗効果により「新しい景色」も見えてくるものと期待されます。

第三。円滑化。乗り換えが少なくなること、待ち時間が少なくなること、待ち時間が均等化し乗りやすくなることも今回のダイヤ改正でさまざま盛り込まれている。

第四。列車自体の多機能化(ビジネスブース設置など)。これはまだ小規模にとどまっているが、近い将来、駅舎の多機能化なども含めて、「鉄道」自体の都市における役割が進化する可能性もある。

 

ライフスタイルやワークスタイルの変化、MaaSの進化なども合わせて考えると、今回のダイヤ改正も、「足し算」ではなく「掛け算」として都市の進化に影響をもつ(もちうる)と思われます。

 

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