ブランデンブルク門広場の第九 (2019.8.24) (都市は進化する118)

年末といえば第九。最近、2019年8月24日のブランデンブルク門広場での第九をデジタルベルリンフィルの映像で視ています。

1989年11月9日の「ベルリンの壁崩壊」から30年。ちょうどその壁のところに位置するこの門の前にステージが設けられ、3万5千人があつまって第九を聴いている。公共空間におけるこのような設定には圧倒されるものがあります。

 

第一に、そう広くはない広場空間には収まりきらず、映像手前方向に伸びる幹線道路に沿って観客の列が続きます。道路の両側は森のようになっているので、どうしても列は長~くなる。

第二。夕暮れ時にはじまったまだ明るい会場は次第に暗くなり、移りゆくベルリンの街の様子が、ブランデンブルク門を背景にして、ていねいに映し出されます。

第三。真夏なので皆、軽装で、リラックスした様子。映像は指揮者や演奏者の様子が切れ味鋭いカメラワークで映し出されますが、観客や街の様子もうまく取り込まれ、ベルリン市民総出でこの演奏会を祝っているようにも見えます。実は、このデジタルベルリンフィルの映像には、他にもさまざまな野外コンサートの様子などもオンデマンド化されていて、街中・野外コンサートが普通に行われていることを実感します。

 

さて、間もなく2023年。かなり趣向が異なりますが、新型コロナで3年間開催できなかったラ・フォル・ジュルネが東京都心で復活します。5月初旬の、日本では最も野外での活動がしやすい時期です。演奏のほとんどは室内ですが、同時多発で多くのイベントがおこなわれるため、会場となる東京国際フォーラムは独特の熱気に包まれます。

日本の都市も進化する。

今から楽しみです。

 

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