Levelling-up時代の近隣計画(その2) : まずは全数の確認から

2012年4月6日に施行された「近隣計画」の成果を、2022年9月30日時点の状況を確認することにより、「10年半の成果」の総体としてながめてみます。資料を2つ。

1つ目が、2970件のエクセル表。「locality」というかなり公式に近い主体が運営するサイトのページからエクセル表がダウンロードできます。

https://neighbourhoodplanning.org/toolkits-and-guidance/key-neighbourhood-planning-data/

操作するといろいろなことがわかるので、使ってみてください。

ここでは計画策定段階(Progress)のみに着目して現段階の「事実」をつかみます。

 

採択 (Plan Made) 1118

レファレンダム通過 356

レファレンダム不通過 11

レファレンダム 24

審査通過 18

審査不通過 12

審査に提出済 17

審査前の協議 74

エリア指定(計画案策定段階) 1340

 

このデータだけでもかなりの情報です。「レファレンダム通過」もほぼ採択とみなせるので1474件と、全体の49.6%で近隣計画策定までほぼ達している。「エリア指定(計画案策定段階)」が1340件(45.1%)と多いですが、この割合が少なければよいというわけでもなく、新たに近隣計画策定にチャレンジする近隣がコンスタントにあるのか、「もうやめた」という感じで飽和状態に達しているのかもみる必要があります。

また、「レファレンダム不通過」11件、「審査不通過」12件というのも、近隣計画の課題を探るうえでは重要事例の可能性大です。

 

では、空間的にどのように分布しているのか? と考える際に便利なサイトが、よく読まれている都市計画情報サイト「PlanningResourcs」の下記URLです。

https://www.planningresource.co.uk/neighbourhood-planning

(本日時点で)2022年12月1日のデータが地図上に表示され、見たい自治体にカーソルを当てるとそこでの近隣計画策定情報が示されます。また、このページなどに、(その1)で整理した「第六」「第七」あたりの地域的偏り等の課題を意識したデータ整理が紹介されています。

 

本記事を「【研究ノート】Levelling-up and Planning」に入れました。
https://tkmzoo.hatenadiary.org/entry/2022/05/18/100512