「Tokyo Sky Corridor」の実現に向けた方針(最終報告)が発表されました

「銀ブラ」ならぬ「銀スカ」のネーミングを与えられて、このゴールデンウイークに「Tokyo Sky Corridor」を実際に開放した“銀座スカイウォーク”が行われました。たまたま現場でそのことを「発見」した私でしたが時既に遅し。事前予約制のためスカイウォークの機会を逃してしまいました。残念。

本日は、2023年3月に発表された『東京高速道路(KK線)再生の事業化に向けた方針』(東京都)が最終報告となることから、1年前の「中間報告」と比較してどこが最後に詰められたかについて、4つあげてみます。

 

第一。都市計画としてはこれが最も重要と考えている浜離宮方面への延伸。中間報告では、「KK線上空空間と連続した空間形成を検討」という矢印が抽象的に浜離宮方面に向けて示されていただけでしたが、最終報告では矢印が首都高に沿って具体的に引かれ、かつ、その先は少し浜離宮の敷地内(入り口付近)に食い込むように描かれています(p7)。本ブログで願っていた内容にほぼ沿っています。ただしこれが決まったわけでなく、「首都高施設の有効活用(KK線再生と連携した空間形成を検討)」と凡例には書かれています(p6)。本文の表現は「なお、汐留JCT付近等の首都高速道路の施設については、KK線再生の事業化に向けた取組と連携し、高速道路施設の有効活用策について別途検討します。その際、広域的な回遊性を高める観点から、歩行者中心の公共的空間に再生されるKK線上部空間と連続した空間形成を検討します。」とさらに具体的です。今後の展開を期待します。

第二。「整備の進め方」がさらに具体化されました(p17)。「2030年代から2040年代」となる整備完了時期の表現は中間報告と同じで、かなりの幅があります。2030年から2049年まで20年も幅があるとも見れるし、2038年から2042~43年頃にはだいたいカタがついているとも見れる。このことと第一の点(浜離宮方面への延伸)がどの時点でどのようにすり合わされるかに注目したいと思います。

第三。その「整備の進め方」で具体的に書かれているのは「2022年度」と「2023年度~」の部分。既に2023年度に入っているので、「2022年度」は既に行ったこと。冒頭に書いた「銀スカ」については上から2段目に「KK線上部空間を活用したイベント」との言葉で矢印が2022年度の最後のあたりから年表上に引かれ、よく見ると、先にいくほどグラデーションが濃くなるように描かれています。まずはうっすらと「銀スカ」を試してみようというのが今回のゴールデンウィークの試みだったと理解します。

第四。具体的な都市計画については下3段分に「有楽町・銀座・新橋周辺地区」「京橋三丁目東地区」「新京橋連結路(新たな都心環状ルート) 高速8号線の廃止」の3つが書かれています。3つ目は道路そのものの扱い(「2023年度~」に都市計画決定)のため、1,2番目を見てみます。2022年度の最後あたりに「〇」がついているのは、2022.12.16の本ブログ記事で紹介した国家戦略特区に関連した手続きで、全体に地区計画の方針を定めつつ、2つめの「京橋三丁目東地区」については都市再生特別地区が定められたことを示しているものと思われます。2つめの「京橋三丁目東地区」の都市計画はこれで確定し、1つめのハコの地区計画については「2023年度~」に「再開発等促進区を定める地区計画」として具体化される予定が示されています。

 

[資料]

1.中間報告

2.最終報告

 

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