気球を上げて仁徳天皇陵を上空から眺める試みがまた延期されました (大阪と都市イノベーション(その6))

2019年に世界遺産になった仁徳天皇陵(百舌鳥古墳群)を上空から眺めようとの試みがまた延期されました。世界遺産をこのように活用してよいのかなどのさまざまなハードルがあり、今回も一種の「社会実験」的期間。近いうちに「今度こそ上がります」と発表されるはずです。

 

さて、日本の最初の都市と考えられている「巻向」から都市飛鳥(これも都市といえるかどうか不確か)の間の期間の、日本の中枢部の都市・地域構造を明らかにするうえでこの仁徳天皇陵の意味を考えることは重要です。気球で上から見ただけで「発見」があるかどうかわかりませんが、、、

ところが現在、仁徳天皇陵と考えられてきた大仙古墳は仁徳天皇陵ではないとの論争があり、年代的には允恭天皇陵ではないかとの考えもある。ところがその允恭天皇陵と比定されているのは藤井寺(古市古墳)にあり、そうなった場合、藤井寺の方は誰なのか。また、仁徳天皇陵はどこなのよ。両者が入れ替わるだけなら単純ですが、玉突き状態となり、「比定」だけで「確定」できていない諸々の古墳が正体不明となり日本史が混乱状態になるかもしれないなどと、想像は尽きません。

 

そんなことを考えると、やはり上空から大仙古墳のみならず難波津や住吉津、百舌鳥古墳群、古市古墳群方面(その先に奈良盆地)などを眺めてみたいものだと思います。

気球で上がるのは100メートルほど。10分程度の飛行のため、体験自体はほんの一瞬で終わりそうですが。