Hampton Court Palace Garden Festival

私 : 2025年の大阪万博の海外パビリオンが、まだ1つも申請がないそうだね。建設業界の人手不足や資材高騰が問題らしいけど。

A氏 : 準備期間が短くなると、凝ったデザインのパビリオンだと間に合わないしね。

私 : つい最近の京都新聞の社説では、万博の延期も考えるべきだ、などという考えも提起されているようだね。

A氏 : だけど、大阪万博が延期されると、2027年の横浜の花博にも影響が出てくるよね。

私 : 。。。。。

 

というわけで、何かと先の読めない昨今の情勢ですが、「花博」の話題が出たところで、20年ほど前に行った「Hampton Court Palace Garden Festival」のことを少し書きます。ロンドン郊外のハンプトンコートパレスにおいて、毎年夏(2023年は7月4~7日)に開催されているイベントです。

当時は珍しいもの見たさに電車を使って見に行ったのですが、さまざまな驚きや発見がありました。その1、2について書いたあとで、これから開催される博覧会について少し書き留めます。

第一の驚き。「ガーデニング」審査とその内容。ブースがあてがわれて各々の技を競い合うのですが、そこに植えられた草花樹果のデザインというか雰囲気は日本の庭と全く違う。「特賞」「金賞」などと貼られているそのブースを見ても「??!??」。ある意味、こうして価値づけられたものだけに、内容の圧倒的な差異に愕然としました。

第二の驚き。これは「Gardening Festival」の性格というか事業(興行)としての組み立てを反映したものと考えられますが、その商売的な感じにまた驚きました。会も終わりに近づくと出品(出店)された草花樹果は最後の最後まで売りさばかれてゆきました。スポンサーもいるし事業費も回収しなければならないとはいえ、花を愛でようという気持ちとその目撃した風景とのギャップに、とても戸惑いました。

 

今、振り返ってみると、このイベントは1990年に始まったとされ、鉄道会社がお客獲得のために考えだしたもののようです。世界的に有名な「チェルシーフラワーショウ」の場所が狭く飽和状態になっていたことも背景にあるとされます。けれどもその鉄道会社が1992年に降りてしまったことから、立て直しがあり、新聞社のデイリーミラーがスポンサーとなって再スタートしたのが1993年だったようです。さきほどの第二の驚きは、もしかするとこうした1993年からの「事情」があり、より興行的な面が強く出ていたのかもしれません。

それでも2023年の今も続いているということは、ガーデニング好きの国民性があるからではないかと想像します。第一の驚きのようにその「ガーデニング」の内容はとても異なるのですが。

 

さて、2027年の横浜の花博はどのようなものになるのでしょう。国際博覧会なので、第一の驚きに似た、また別の体験ができるに違いありません。また、博覧会自体は1つの事業なので、入場者数や入場料、交通サービスや飲食その他を含めて、どのような形で運営されるのか試されそうです。掲げられている「幸せを創る明日の風景」をどのように示せるのか。それを未来に残せるのか。

2025年の大阪万博も含め、自分事として少し気になりはじめました。

 

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