オーキッドバレーミウラ (都市は進化する217)

この4月から神奈川新聞電子版を見ています。いつだったか洋ラン栽培家(農家?)の記事が大きく出ていて、いつか行ってみようとGoogleMapにプロットしておいたところ、つい先日、さっそく立ち寄ることになりました。

三浦半島の先の方の地形は隆起と侵食によりたいへん複雑ですが、その結果、海を介して房総半島や富士山が変幻自在に視界にあらわれ、いろいろな発見があります(⇒都市探訪27139)。「バレー(谷状の場所)」も無数にある。そうしたバレーにある洋ラン(オーキッド)農園ということで社名をつけたのだろうと、実際に訪ねてみて合点しました。

時間に沿って正確に表現すると、、、
まず、引橋のメイン道路から左に入りしばらく尾根道を行くと、谷方向に、薄暗い小道が。GoogleMapは確かにそこを指しているので、そろそろとその薄暗い小道を降りていくと、母屋および複数の温室があります。さらにくねくね曲がりながら降りていくと、視界が開け、広い踊り場のような場所に大型の温室が。入口にいた方にお願いして中を見せていただきました。
中は感覚的にいうと、「ランの温室」というより、「ランという品種を種から育てあげるための大型実験室兼工場」のようにも見えました。もちろんランがたくさん咲き乱れていてそれだけでうれしくなるのですが。(「現在、温室ではかれんなエピデンドラムや、珍しい形が人気のタケノコ系ランが満開。身近に置きたくなる美しさだが、「親株なので非売品で。うちが主に販売するのは『何年か後に花が咲く』苗なんです」」というのが神奈川新聞の解説。この農園はもとはミカン畑だったとのこと。)

小道をさらに下るとキャベツ畑に出ます。

 

AI時代の21世紀。今、半導体ブームで世界が熱くなっています。けれども、この温室は、さらに次の時代の都市型産業の姿かもしれない。ミカン畑の再利用という点もよい。冬場にはボイラー頼りになる(と思われる)ので本当は沖縄あたりが適地かもしれないけれど、ミウラであれば消費地に近く、輸送コストはほぼゼロと言えなくもない(消費者のほうがやってくる)。太陽と水(実際には肥料も?)があれば生産できるクリーンでグリーンな産業。特殊技能や知識・知恵を必要とする知識産業。(やや飛躍して)ミウラはミライの産業ベース!

 

詳しくは神奈川新聞4月4日号にて(ネットでは少し遅れで)。

 

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