JANE JACOBS:URBAN VISIONARY

2006年にバンクーバーの街をぶらぶらと歩いている時に、この本がふと目に留まった(書店に目が留まる前にこの本をみつけた!)。2006年刊。[7/21修正:2006年9月にバンクーバーでこの本を購入。ジェイコブズが亡くなったのが同年4月25日。序に「as this book was about to be printed,Jane Jacobs died in Tronto」とあります。本書の出版をめぐる著者とのやりとり等もp7にいくらか書かれています]。モーゼスだけが闘いの相手ではなく、いわゆる都市計画の専門家や実務家など、「これが常識だ」と信じて疑わない世の中の大半の人々に対して、自分に忠実に発言し行動し、そして都市そのものを観察し考え続けた彼女の人生・人生観が、暖かいまなざしで綴られていました。2008年3月号の『建築雑誌』(p.62)に、内田奈芳美先生の抄録が掲載されています。なお、『アメリカ大都市の死と生』のみならずK.リンチの『都市のイメージ』などを当時支援していたロックフェラー財団の役割を論じた「The Death and Life of Urban Design:Jane Jacobs,The Rockefeller Foundation and the New Research in Urbanism,1955-1965」(Journal of Urban Design 11(2),145-172,2006)も一読に値すると思います。