東京スカイツリー論

中川大地著、光文社新書583、2012.5.20刊。
東京スカイツリーが開業したのとほぼ同時に出版された、都市イノベーションの新次元を考えさせられる1冊です。1〜4章が「インフラ編」「タワー編」「タウン編」「コミュニケーション編」と分けられ、それぞれの視点から4つの論が展開されます。最後の第5章「ビジョン編」は勢い余って、という感も否めませんが、序章の導入部も合わせて、筆者の思いや考えが最も明確に出た部分といえます。
実は開業日の夜、雨の降る中、足元のスカイツリータウンに駆けつけました! これをきっかけにその後何度も東京下町をうろうろし(旧?東京タワーにもしばらくぶりに登り)、都市東京にとっての新タワーの存在をさまざまな角度から感じ考えさせられました。この本が出版されたのは知っていたのですが、読むことになった直接のきっかけは、先週、(前回の都市イノベーション読本2.0の余韻もあって)たまたま東京都復興記念館に立ち寄ったことに関係しています。敷地内にある震災記念堂で黙祷したあとふと振り返ると、その正面のビルの上方に東京スカイツリーの上から4分の1ほどが見えたことによります。『東京スカイツリー論』、読もう。
特にタワー論には、自分の体験と重なる論点が少なからず出ていました。
第36話と合わせ、さまざまな角度から都市イノベーション論が活性化できそうです。