新国立競技場

2020年オリンピック開催都市が決まる9月7日まで5か月を切りました。その主要施設として注目が集まる新国立競技場。日経アーキテクチュア4月10日にもザハ・ハディド氏のインタビュー記事が載るなど、あわただしくなってきました。実は、今回のコンペで最優秀賞を獲得したハディド氏は「デザイン監修者」になった段階。この3月1日には「新国立競技場フレームワーク設計業務」の公募型プロポーザルが公告されていて、その締切が2013年5月8日。その受託者がさらに基本設計・実施設計を随意契約で設計を進めるとの想定のようです。『GA JAPAN 』120号の対談「建築2012/2013 総括と展望」では建築設計の側からみた興味深い議論が展開されています。
一方、先週4月10日の港区都市計画審議会では東京都が決定する「神宮外苑地区計画」等の審議が行われました。新国立競技場が立地するのはほぼ新宿区内なのですが、神宮外苑という地区としての都市計画を決めるために渋谷区と港区の都市計画審議会でも審議がなされ、最後に東京都都市計画審議会で5月17日に審議され、高さ制限などを決める地区計画が決定される予定です。いずれ公開されるこれらの議事録を見るだけでも、この新国立競技場を受け止める都市側の課題がかなりとらえられるのではないかと思います。
このように、神宮外苑一帯の都市計画という目でみると、新国立競技場が都市イノベーションの中心になりながら、面としてさらに周辺に影響が波及していく、というストーリーが要注目です。

[10/26追記:5月17日の東京都都市計画審議会ではほとんど議論は無く可決しています。3区のうち新宿区都市計画審議会のみ議事録がHP上に公開されています。2月15日の報告に続いて3月27日に審議され、「支障ない」としつつ「付帯意見あり」となっています。
(2013.2.15新宿区都市計画審議会と議事録)
https://www.city.shinjuku.lg.jp/todokede/toshikei01_001040.html
(2013.3.27新宿区都市計画審議会と議事録)
http://www.city.shinjuku.lg.jp/shingi/toshikei01_001041.html