文化の樹を植える 「函館 蔦谷書店」という冒険

楽園計画・編、ネコ・パブリッシング2013.4.1刊。
代官山T-SITEでこの1年話題をさらった“蔦谷書店”というスタイルが、地方都市に展開するための第一号店「函館 蔦谷書店」の開発意図(や思い)・経緯を綴った新しい図書です。
本年1月に着工、8月のオープンをめざして準備が進んでいる模様です。
このプロジェクトが注目されるのは、本書の下に「地方都市の日常にルネッサンスを!」と書かれていることからもわかるように、また、タイトルが「文化の樹を植える」とされているように、この函館を地方展開の第一号として全国に100の同様なプロジェクトを波及させていきたいとの思いが込められている点にあります。まだその函館プロジェクトは工事中ではありますが、地方活性化の担い手になれるかどうか大いに注目したいと思います。「書店」とはいうものの、公園でもあり、喫茶店でもあり、散歩できる場所でもあり、趣味に没頭できる場所でもある“蔦谷書店”が地方展開するとはどういうものなのでしょうか。
また、最近の多くのプロジェクトがそうであるように、登場人物は多様です。本書に登場するのは(ネーミングは私が解釈したものですが)、コミュニティデザイナー、市長、アーキテクト、プロデューサー(アート)、プロデューサー(音楽)、グラフィックデザイナー、音楽監督、芸術監督、そして株式会社(CCC)、それに本書の編集者、本書の出版社。