南相馬市の状況(その6)

4月20日福島民報が「JR東日本は同区間にまたがる避難指示解除準備区域が解除された後、運行を再開する方針を19日までに市に伝えた」と報じました。「市はJRに同区間の早期の運転再開を求めていた。市は小高区など避難区域で上下水道や道路などの復旧作業を進めており、復旧状況を踏まえ、平成25年度中に市内の避難指示解除準備区域の解除時期を判断する見通し」とされます。先日、その小高の町にはじめて入りました。
「避難指示解除準備区域」となってからおよそ1年経ち、水道復旧工事や学校の補修工事が進行中(休日のため工事中ではなかった)ですが、まだしばらく時間はかかりそうです。

(その5)から約半年が経過した2013年4月25日時点で南相馬市内に居住する方は約50100人(=a)と5万人を超えましたが、この6ヶ月では約600人の増加(回復)にとどまりました。市外に避難している方は約16400人(=b)と、約2100人減少していますが、市内の人口回復にはあまりつながっていません。「平成23年3月11日に南相馬市民だった方で平成25年4月25日時点で市内に居住する方(=c)」と「平成25年4月25日現在の居住者数(=d)」との差が、少し減って約3700人となりました(前回は約4000人)。やや停滞的な状況です。元々12800人ほどの人口のあった小高区(旧小高町)にまだ人が戻れないことが大きく響いています。
いつものように『南相馬市復興計画』において「計画期間である10 年後(平成32 年度)には、震災前の予測人口62000人よりも増加させることを目指します」としている点について(a+b)を数字でみてみると約66500人と、減少に転じています。正念場です。

こうした中、地域文化の発掘や新たな産業の振興などを通して復興の力になりたいと願う活動も少しずつ進んでいます。朝日座の屋根の改修も一段落し、その過程でわかった築90年のこの建物の歴史も公開されました。[2013.7.22リンク切れのため記事差し替え⇒2013.8.3(土)午後に朝日座“90歳”を祝うイベントが開催されます。HP『朝日座の夜明け』にリンク 
被災地の農業復興のモデルをめざすソーラー・アグリパークも3月にオープン(⇒同HPへ)。こうした個々の取り組みが地域内外で連携して、「住みたいまち」の姿を少しずつ取り戻していくことを願います。

(その5)

[参考]本ブログの東日本大震災復興計画・復興事業「★統合ファイル
[参考]朝日座(南相馬市)を応援します(その1) (その2)
[参考]南相馬市植物工場推進プロジェクト