『首都高物語』

首都高速道路協会自らが企画・制作した首都高速道路についての「物語」が9月26日に出版されました。
1957年8月22日午前10時、東京九段坂上都道府県会館4階会議室で開催された東京都市計画地方審議会高速道路調査特別委員会の様子から話は始まります。「それでは、幹事からご説明を願います」との委員長の指名で東京都建設局都市計画部長の山田正男が「1時間余にわたる」計画の説明をはじめます。質疑ののち、この第1回委員会は都市計画決定に向けて短期間で結論を出すことを合意して閉会。このあと特別委員会のもとに小委員会を設置、、、などの話が続き、2年後の1959年8月に首都高速道路網の全線が都市計画決定されたことが語られます。1964年の東京オリンピックの開催が正式に決まったのは1959年5月。
結果から引き算すると(1964-1957)、この都市計画の審議がはじまったのはオリンピック開催の7年前のことでした(オリンピック決定から開催までは5年5か月)。
次に語られるのが、首都高速道路が最終的な都市計画案となるまでの、4つのアイデア(山田案、石川案、近藤案、樋口案)。なかなかおもしろいです。
首都高の更新が現実的課題となっている現在。「つくる」ことと「つくりかえる」こととは違うものの、何かをなしとげようとする技術者の物語として、とても興味深い内容です。