『奈良の小さな会社が表参道ヒルズに店を出すまでの道のり。』

中川政七商店 十三代 中川淳著。日経BP、2008刊。
とある大手メーカー勤めを2年で辞め、おやじの会社(メーカー)に入れてほしいと頼むも断られる。しかしあきらめずに意思の強いことを訴え入社を許される。
といったあたりからはじまり、小さな会社が認められるには何よりブランディングが大切と、日々格闘。まずは、直営ショップを出すことが会社のブランドを磨くためにとても大切と、任された2つめのブランド立ち上げを通して学んでいく姿が描かれています。
『地方消滅』という文字が踊る昨今。静かな自分だけのイノベーションを、強い思いをもってコツコツ積み上げることでなしとげつつある一青年の、とても興味深い話です。
節目ごとに出てくるさまざまなプロフェッションにも興味が涌いてきます。
私たち研究者も零細企業のおやじととらえると(小さな町の企画部長も、何らかのミッションを抱くNPOも、ある意味就活中の学生も同様に)、まだ進化途中の本書から読み取れることは多そうです。