(ミニ特集)近隣計画の運用(その2) タウン評議会による場合

近隣計画第2号となった『Thame近隣計画』はThame Town Councilによって策定されました。
(その1)のUpper Eden近隣計画とは対照的に、この近隣計画からは、Thameという町が「町」としての歴史が長く周辺の田園地域の中心地であることの自負や、この近隣計画を通して、これまでにできなかった本格的なまちづくりをしていくのだという決意のようなものが伝わってきます。それは計画書の厚さからも伝わってくるのですが、以下の3つの点が特徴的です。
第一。この近隣計画は、まるでそのものが都市計画マスタープランのような一体性をもっています。その際、田園地帯も含めた全体というより、「タウン」そのものの計画を、たいへんていねいに描いています。それは18-19頁の計画図「The future vision for Thame」に明確にあらわれており、何を計画しているのか、どの敷地や場所が特に重要なのかが一目でわかります。
第二。その全体図で示された個々の計画を進めるための方針が第2章「Neighbourhood Plan Policies」にかなり詳細に描かれています。また、第3章「Housing Allocation Policies – Site Specific Requirements」では敷地ごとの具体的方針が図面入りで示されています。
第三。別途『Thame近隣計画 Delivery Strategy』が発行されており、近隣計画をどのように実施していくのかについて、政策ごとにその責任主体が明記されています。タウン評議会のホームページには近隣計画の「ANNUAL UPDATE」が2014年5月にアップされました。
http://www.thametowncouncil.gov.uk/
近隣計画の進捗状況が具体的に記載されています。課題になっていることも示されています。このホームページそのものが「わが町」のホームページであり、近隣計画が、その町づくり進めるための重要なツールになっている様子が強く伝わってきます。