『拡張の世紀 テクノロジーによる破壊と創造』

ブレット・キング著、東洋経済新報社、2018.4.12刊。

1つ前の『プラットフォーム革命』が、その動態そのものの描写とその理論化を指向していたのに対し、本書は(プラットフォーム化は前提としつつ、)徹底的にテクノロジーがもたらす人間の未来を描こうとします。それは、Y世代、Z世代と呼ばれる新世代が牽引し、それ以前の世代はむしろそれらへの抵抗勢力になる。Y世代でさえおよそ1980年代以降の生まれなので、私などはその前のX世代(1960年代以降とされる)でさえなく、超抵抗勢力?W世代?

あえて「ディスラプション」と表現された、テクノロジーが旧勢力を徹底的に破壊していくさまの描写には凄まじいものがあります。まさにイノベーションそのもの。これらによりもたらされる近未来。人間の能力や生存そのものが「拡張され」大きく変わります。
では、そうした近未来人が住む都市はどうなっているか。本書の冒頭に示される4人の職業やライフスタイルをよく読むと、例えば、大都市都心部では自動運転以外は禁止する法案の審議が進んでいるなど、テクノロジーと法律の葛藤が各所にあらわれます。2023年のニューヨークとロンドンでは自動運転法案は「今のところ優勢ではなかった」(p36)とされますが。
しかしそれは2023年の話。先にいくと、土地利用やサービス、その提供者はかなり変化します。ドローンなども含む広義のロボットが等比級数的に普及しはじめ、2032〜33年頃には世界人口(人間)の数をロボットの数が追い抜くさまがp199に紹介されています。

【in evolution】イノベーションの源泉
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