地域が連携し「住みたい都市」をプロデュースする

「都市イノベーション・next」(全100話)スタート

帆船日本丸(にっぽんまる) 大規模修繕工事に入る

本日11月1日より、帆船日本丸の公開が中断されます。
氷川丸と同じ1930(昭和5)年に竣工したこの日本丸氷川丸が太平洋を横断する高速貨客船だったのに対し、日本丸は航海練習船朝日新聞デジタルの記事(2018.6.15)によれば、
「全国10都市が争った誘致合戦の末、横浜が保存地に選ばれ、85年から一般公開されている。当時、市や商議所などが「誘致保存促進会」を設立し、約83万人の署名を集め、維持管理費の寄付を募ったという。」

しかし船体の老朽化が進み、2010(平成22)年早春、80歳となった日本丸をなんとかしなければと「帆船日本丸保存活用検討委員会」が発足。その年の夏に提言書が横浜市に手渡されました。(⇒関連資料1)
そこでは、同じ年に建造され近年修繕された氷川丸が100歳(2030年)を目標にしていたのに合わせて、日本丸も「建造から100年」と目標を掲げています。しかし何よりもそうした修繕に向けて重視しているのは市民の理解・応援でした。というのも、一般に馴染みのある客船だった氷川丸とは異なり、日本丸は訓練のための練習船であるため、公開されていたとはいえ一般市民に馴染みのある船とは言えません。もちろん、帆を張ったその雄姿はみなとみらいを訪れる人々に強い印象を与えてきたと思われますが、83万人もの署名のもとに最初に日本丸を誘致した時代の熱気は失われていました。「いくらかかる」という点もさることながら、本当に横浜市民が日本丸を大切に思っているのか、これからも大切にしていきたいのかが、こうした歴史的建造物(この場合は船)の保存のためにはとても重要です。逆にいうと、そうした広い支持が得られない多くの歴史的建造物は次々に姿を消している。一委員だった自分も当時、船底の鉄板などの腐食が進んでかなり危ない状況になっているとの説明を船内で受けました。

あれから8年。ようやく大規模修繕工事が始まることになりました。
本年6月13日には「帆船日本丸保存活用推進委員会」が設立され、目標額を3000万円と定めて募金活動がはじまっています。(⇒関連資料2)
事業費は6億円。船体・船底の鋼板等の腐食部分の修繕をはじめ、漏水防止工事、老朽化ワイヤーの塗装・交換、搭載機器、居室等の修繕が予定されています。
工事が終わり再び公開される日が楽しみです。と同時に、日本丸周辺からのアクセスルートや日本丸のある風景のさらなる価値向上がめざされることを期待しています。

[関連資料]
1.提言書(2010.7)
http://www.city.yokohama.lg.jp/kowan/basicinfo/torikumi/pdf/0722.pdf#search=%27%E5%B8%86%E8%88%B9%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%B8%B8+%E6%8F%90%E8%A8%80%27
2.寄付のお願い(日本丸メモリアルパークHP)
http://www.nippon-maru.or.jp/supporters/