紀元前2000年の世界の都市人口

昨日は、「アジアの都市文明」をグローバルヒストリーに登場させるタイミングを考えましたが、昨日「メソポタミアから都市文明を描き始めるのはよいとして」としていたことについても一応確認してみたいと思います。昨日同様、何人もの推定値が並列されている「主要都市の推定人口変遷」(Wikipedia)を参考にし、その時点でのその都市の人口の最大推定値をとることにします。
この表には紀元前8000年から記載がみられます。人口1万をはっきり超えるのが紀元前3500年のスーサ(イラン・45000人(⇒関連記事1))とウルク(イラク・14000人(⇒関連記事2))。このあと紀元前3300年の欄にメンフィス(エジプト・20000人(⇒関連記事3))などもあらわれますが、紀元前8000-3000年までの表に出てくるエジプト都市は3件に対しメソポタミア関連は(広くみて)19件[中国4件]、紀元前2800-2000年までのエジプト都市は4件に対しメソポタミア35件(パキスタン3はこちらでカウント(⇒関連記事1))[中国4件、インド2件]となっています。このメソポタミア35件のうち19件がイラク、6件がシリア。人口でみるとおよそ1万くらいから10万に届くか届かないかくらいまで。まだ、メソポタミアを統一したバビロン(イラク)は出てきません。

という全体的文脈のなかで、ここでは紀元前2000年の推定都市人口を並べてみます。
■紀元前2000年の都市人口
ウル 65000(イラク)
メンフィス 60000(エジプト)
テーベ 42500(エジプト・幅があるので中間値)
ギルス 42500(イラク・幅があるので中間値)
イシン 40000(イラク)
ラルサ 40000(イラク)
マリ 30000(シリア)
ウルク 30000(イラク・紀元前2800年が80000人で最高)
ニップル 30000(イラク)
以下、25000人(複数)、20000人、と続く

[関連記事]
1.『メソポタミアとインダスのあいだ』 (2016.1.8)
http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20160108/1452225986
2.『都市の起源』(2018.102.25)
http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20181025/1540438915
3.(文庫版)『ピラミッド 最新科学で古代遺跡の謎を解く』(2018.7.4)
http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20180704/1530699309