羽田空港アクセス線と羽田空港第五滑走路

2020年3月31日をもって、京浜急行品川駅下にある「京浜ストア」および「品達(複数のラーメン店等がモールとなっている部分)」が閉店します。「品川フィールド(その3)」で6)番としている「京浜急行連続立体化事業(特に品川駅部分平面化事業)」がスタートするためです。(⇒詳しくは「品川フィールド(その3)」へ)

「コロナウイルスの影響で毎日の変動が激しく、先のことまで考えていられない」ことと、「長期ビジョンを描きそれに基づいて着々と事業を進める」こととの両立をはかりながら、修正すべきは修正し、新たに取り入れるべきことは果敢に取り入れる。人やモノや情報がグローバル化したあとの2020年代(以降)はもしかすると、こういう状態がより日常的になる、あるいはそうでなくても繰り返し起こるような時代になるのかもしれません。

2020年3月29日からはじまる都心上空から羽田空港への降下も、そのような複雑で流動的なバランスの中での、決して「終点」ではない、持続的な取り組みが必要な都市計画上の重要なテーマととらえたいと思います。

 

羽田空港の国際機能を(再)強化する。

昨年5月、「羽田空港アクセス線」事業の環境影響評価手続きがはじまりました。下記東京都の資料の359番です。

https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/assessment/information/projects_list/jg_list.html#103

これにより、羽田空港アクセス線の具体的事業内容がわかるようになりました。1)千葉方面(京葉線)から「りんかい線」を経由し八潮の東京貨物ターミナル(改良)を経て、新設される羽田空港までの新線を通るルート、2)埼玉・東京多摩方面から埼京線を経由して大崎の先で東京貨物ターミナル方面に接続させる小区間を新設してそのあとは1)と同様に羽田空港に至るルート、3)東京都心方面(上野東京ライン)から新橋駅を経て田町駅付近から一度地下にもぐり、1)からくるルートと合流するように東京貨物ターミナルを経て新線に乗り羽田空港に至るルートです。

2020年代のうちにギリギリ開通できるとの想定ですが、特に3)番の「新橋駅を経て田町駅付近から一度地下にもぐり」の部分が、実は東海道本線の横に分岐路をとるスペースが現在無く、複数の線路を1つずつずらしていきスペースを確保する、という工事内容になっていて、時間がかなりかかります。それでも、高輪ゲートウェイ駅の場合がそうだったように、線路を1本ずつずらしていき、ついにはスペースを生み出すという方法はよくある話。本当に地道な作業です。

 

こうしてアクセス線が3本ともできると、首都圏の各方面から大量輸送がかなり時間も短縮して可能になり、羽田空港機能増強を下から支える、というものです。

これに対して空港自体の「第五滑走路」は離着陸のキャパシティーを増強するもの。同時に、2020年3月29日からの都心上空飛行による問題を解決または大幅緩和するものであってほしいと思います。こちらのほうはずっと検討中で、まだどうなるかは公表されていません。