『Beyond MaaS』

今週の「都市マネジメント」でモネテクノロジーズの取り組みをお聞きする機会があり、「Maas」の概念が大きく覆されました。正確にいうと、「MaaS」が単にさまざまなニーズにこたえてお客様がスムーズに移動できるということだけではビジネスにならず手がけようとする事業者が出てきづらい。そこで、、、と展開されたそのあとの話に引き付けられたわけですが、あとで振り返ってみると、実は、1か月前に標題の図書を読んでいた。「読んでいた」とはいえ、そのときはスー~ッと頭を通り過ぎ、要点をつかんでいなかった。

 

けれどもモネテクノロジーズの話を聞いて、「もしかすると」と再度この本を見てみると、はじめて「Beyond」の意味が、この本に込められた未来を切り開こうとする意味が理解できました。今まで「MaaS」だと思っていたのは実は本書でいう「MaaS基本機能」「Deep MaaS」の領域であって、「Beyond Maas」=「異業種との連携、まちづくりや社会課題の解決」こそが(交通プロパーの専門分野以外の者にとっても)取り組むべき新たな領域であると。

 

コロナウイルス禍により「在宅勤務」などの壮大な社会実験を1か月以上にわたって経験できた結果(普通の社会実験だとさまざまな制約のため2~3日、せいぜい2週間くらいしかできない)、「これだけ土地利用が変わると、土地利用に付随して生み出されるモビリティもまったく変わるし都市そのものが変わる」(2つ前の記事)と感じるようになったところに「Beyond MaaS」をもってくると、さまざまな地域で、さまざまな「都市イノベーション・next」が一斉に開花しそうな予感がします。

 

『Beyond MaaS』。日経BP2020.3.9刊。副題は、「日本から始まる新モビリティ革命 移動と都市の未来」。