ラストワンマイルに「共助」の仕組みをつくる 奈良市月ヶ瀬

M2のK君が先日のゼミで「デジタル村民」による山古志村の新しい試みについて発表した際、ブロックチェーン技術などの複雑な内容がてんこ盛りになっており、「mmm…」と考えていた数日後、たまたま家の本棚に並んでいた『Phronesis』No.23の「2050年、社会課題の論点」という文字が目に入り、「そういえばあのとき見たっきりだったな」と手に取りパラパラめくっていると、なんとその山古志村の話が。

どれどれ、、、と読んでいくと「月ヶ瀬」の文字が目に留まりました。

そうです。「月ヶ瀬」。数年前に鎌倉をぶらぶら歩いていた時、店の外からその缶が目に留まり購入した「月ヶ瀬 ファーストフラッシュ」(和紅茶)。現在、奈良市にあるとはいえかなり奥のほうで、どちらかというと「三重県伊賀市の隣」になるくらいです。

 

その月ヶ瀬の地域課題(買い物難民など)を解決しようと、2023年2月21日から3月22日にかけ、「共同型買物サービス」の社会実験が行われました。イオンから一括購入した品々を、月ヶ瀬に用意した受け取り先「ONOONO」に行くと受け取れる。「ラストワンマイル」の1マイル以内に収まっているかどうかは微妙なところと想像しますが、たとえば奈良市街まで行こうとしたら10マイルでもすまない。距離はグンと短縮され、かつ、自らのコミュニティ内で安心して買い物ができる。実証実験には奈良市はもちろんですが日本郵政も参加。買い物だけにとどまらない地域の拠点をめざして、地域産品の販売やフィットネス教室、子ども向けのシカケなどを開発していく予定とされます。

「新しい資本主義」の新しい試み。

『Phronesis』No.23(2022.11.16発行)のこの記事には、林篤志氏が手がけている最新の話題が盛りだくさんです。そこではあまり「新しい資本主義」そのものの議論はしていませんが、こうした実践活動の背景としての「新しい資本主義」を理論として考えていくと、骨太な、これからの社会像に少し近づける気がします。

 

🔖検索 「ラストワンマイル