「東京のアフォーダブル住宅問題 : 過去・現在・未来」

本日、『都市計画』365号が送られてきました。「都市空間のアフォーダビリティーを問う」という特集で、「東京のアフォーダブル住宅問題 : 過去・現在・未来」という論考を掲載していただきました。

1990年代初頭のバブル期には東京でも「アフォーダブル住宅問題」は確かにあったのですが、その後の「失われた10年」「同20年」「同30年」によって物価も家賃も安定(低迷?)した時期が続き「アフォーダビリティー」という言葉もほとんど聞かれなくなってしまった。とはいえ例えば木造密集市街地でこうした課題を考えてみると、、、

というような流れでこれから求められる「アフォーダビリティー概念」につき最後に提案している、といった内容です。ご批評・ご批判いただけると幸いです。

これに関連して、2023.9.29の日経朝刊に「世界的にみて都心部の住宅価格は低水準」「日本の用途地域に住宅供給促進する効果」などをポイントとする吉田二郎氏(ペンシルバニア州立大学教授)の論説が出ており、図らずも(別の角度から)同様な評価となっているので書きとめます。これぞという一文だけ引用させていただくと、中ほどの「東京は世界一の集積を達成しながら、驚異的な交通インフラと潤沢な住宅を提供して住宅費用を抑えている」という部分です。吉田氏の専門は「金融・不動産経済」ということで、「東京」も世界の都市の1つとして客観的に分析してみるとこうなる、という重要なポイントだと思います。拙著では家賃の低さ(安定)を現象面で解説しただけですが、交通インフラなども含めた「市場」として分析すると、そしてそれを国際比較すると、「東京」の特徴が浮き彫りになる。吉田氏はこうした長所だけでなく短所についても指摘しているので、今回の『都市計画』365号と合わせ考えてみよう、と思っているところです。

 

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