都市計画の理論
雨の日には書店へ。と決めているわけではないですが、久しぶりに日本橋丸善に行ってみると、「日本大好きエコノミストの経済論」と副題のついた本書が目に留まりました。「ウィーブ」って何?? 結局、その場ですぐわかるようには編集されていない(しこの用語…
2025.1.20に國分巧一郎著の新書が新潮社から刊行されました(新潮新書1072(シリーズ哲学講話 No2))。昨晩読みそのままにしてあった本書『手段からの解放』ですが、今朝、もしかすると本書はこれからの都市計画にとってとても重要な書ではないかと思い直し、書…
「リンク」欄を使って編集している「Vision 2034 Tokyo」の前文を、2025年バージョンにアップしました。具体的には、前文の最後のところに、2025年とそれに続く10年くらいの間に特に重要になりそうな課題を意識して、文章を付け加えました。 ⇒ Vision 2034 T…
本日、カテゴリー「都市計画の理論」を新設しました。 これまで本ブログは新たにカテゴリーを新設しながら記事を書き足していましたが、「都市計画の理論」は過去の記事にさかのぼり、少しずつ加えていきます。昨日の「Many Urbanisms」が刺激になり、世界の…
都市に過半の人口が暮らすようになった現代の地球。その地球上の現代都市にみられる「アーバニズム」を4つのタイプに分け、新たな認識を促す包括的な図書を本日とりあげます。 Martin J. Murray著、Columbia University Press、2022刊。 タイトルは「many」…
昨年1月、某ファミレスでロボットに配膳してもらったのに衝撃を受け、「2023年はロボット元年」と勝手に名付けました。駅のソバ屋ではロボット(というより自動機械)がせっせとソバを洗って丼に入れ、多くのホテルではチェックインもチェックアウトも全自動。…
「Vision 2034 Tokyo」の柱の1つUrban Walkの新テーマ「尾根を下る」「川辺を遡る」で、「川辺を遡る」のほうは少し手がかりが見えてきた感じがしているのに対して、「尾根を下る」のほうはどうしても説得力ある切り口のようなものが見えてきません。 そこで…
ナイロビという都市が、ウガンダからモンバサに抜ける鉄道ルート上にあることから建設がはじまり、イギリスからの独立を果たす少し前までの、1899年から1960年までに、誰によってつくられたかを、具体的な場所や主体から目を離さず、じっくりと観察・分析す…
明けましておめでとうございます。本年も一年間、どうぞよろしくお願いします。 2024年の第一話は、今、都市が向かいつつある新しい方向について。 「日経サイエンス」の2024年2月号の書評欄(正確にはサイエンスライター「森山和道の読書日記」)にこの本が取…
本日、『都市計画』365号が送られてきました。「都市空間のアフォーダビリティーを問う」という特集で、「東京のアフォーダブル住宅問題 : 過去・現在・未来」という論考を掲載していただきました。 1990年代初頭のバブル期には東京でも「アフォーダブル住宅…
このところ東京では多くのプロジェクトが進行中ですが、これらはおよそ2030年代の中頃までに完了します。このページでは、今、具体的に動いている諸事業が完成したときにどのようになっているか、なってほしいか、それを逆算したときどのようなビジョンをも…
このたび発行された『都市計画』359号では「都市計画古典再論」という特集が組まれました(発行日は2022.11.15)。その中で、「これからの都市計画理論への期待」とのお題をいだき、「古典理論」「現代理論」「同時代理論」が積み重なるように「現在」の都市計…
Routledge、2018年刊(ペーパーバック版は2019年)。 最新の都市計画理論について、それぞれの論に最も精通している専門家が評価・分析・紹介・議論した、27章からなる参考書・都市計画理論書。どのような理論をどのようなものとして取り上げ編集されているか…
「2010年代のイギリス都市計画はどんな感じでした?」と問われてどのように答えるか? 実際、2021年2月にそのような機会がありその際用意した枠組みが「イギリス都市計画をウォッチする~リ・スケーリングと都市計画~」でした。(下図) ここでは「グローバル」…
副題が「Short-term Action for Long-term Change」。ISLAND PRESS、2015。著者はMIKE LYDON & ANTHONY GARCIA。学部授業「都市計画とまちづくり」で今年初めて「タクティカルアーバニズム(等)」をとりあげることになりました(7月20日の予定)。「都市計画と…
2008年のリーマンショック後の10年ほどの間にニューヨークを舞台に展開した新経済構築のさまを、ニューヨークっ子であり社会学者である著者が活写した快作。 SHARON ZUKIN著、Oxford University Press、2020。副題は「Cities, Tech, and the New Economy」。…
6月30日の「市街地創造論」で「新しい郊外の都市計画」をとりあげました。その中から、1枚のスライドを紹介します。 ポストコロナの時代の、いわば「在街勤務」もできるような郊外再生ビジョンにもなっています。背景に薄く見える住宅は、もはやかつての<住…
地震に洪水、津波にウイルスと、都市は次々に災害に見舞われています。都市計画の要となる都市計画法は日本では1968年に制定されたまま接ぎ木に接ぎ木を重ね、そこにおさまらないものは別の法律をつくって「都市計画関連法」が次々と増え、現在、国会に提出…
6月19日の記念式典の際、先行配布されていた標記の論集が、都市計画協会から7月16日より購入できるようになりました。 都市計画協会のHPで「目次」が閲覧できますが、実は、「目次」の前の巻頭論文「都市計画にできること、できないこと」(都市計画協会会長 …
「都市イノベーションworld」も第98話。今回も含め、あと3回となりました。 そこで、最後の3回を関連づけて書きます。今から98,99話を書きますが、最後の第100話は歴史上の特定の人物の話。少し間が空きます。 第98話が標題の「都市計画の進化は何によって起…
本書(講談社メチエ160、1999.6.10刊。見市雅俊著)は、1666年のロンドン大火とその復興という題材をもとに、大陸的・絶対王政的バロック都市風に設計提案されたクリストファー・レンの復興計画案がなぜ実施されなかったのか?。せっかく当時のグローバルな流…
最近公開された映画『英国総督 最後の家』で描かれたインド独立時の大混乱。分離独立したパキスタンには難民があふれ、独立したインドにも逆方向の難民があふれます、、、 本書で印象的な場面の1つは、このような中でデリーでは新都市計画(グルガオンを含む6…
リチャード・フロリダが、ある意味自説の限界と問題点を全面的に認めた重要な書。BASIC BOOKS、2017刊。エピローグが加えられた2018刊で読みました。 本ブログでもポートランドのホームレス問題やニューヨークのアフォーダブル住宅との格闘を最近取り上げま…
毎年この時期に「理想都市」をテーマに90分の話をしています。産業革命と「近代化」に伴う都市問題を解決するべく、ニューラナーク、ソルティア、ボーンビル、ポートサンライトなどの試みがあり、やがてハワードにより「田園都市論」が提唱されレッチワース…
千頁に迫るこの図書の最後の50頁ほどがBook Five「The City of the Coming Golden Age」となっていて、これまでのOneからFourを統合して未来を予測しようとする内容なのですが、本書が刊行された1998年から既に約20年が経過しており内容が古くなっています。…
都市と都市計画に関する文明論。Peter Hall著。1998刊の図書を2001年発行のペーパーバック版で読んでいます。「Book One」から「Book Five」にわたる大著です。 「Book One」の「The City as Cultural Crucible(るつぼ)」に続き、以下、「The City as Innova…
イノベーションそのものがどのように湧き出すかについて、本ブログでとりあげてきた関連記事を、カテゴリーに分けて書き出してみると、「都市イノベーション」を生み出す源泉は、「人的資源」「科学技術」「政策制度」「地域連携」に加え、「都市が生み出す…
近代都市計画思潮の影響を、誰が主役となって、どのような都市化の段階で受けたかによって、今日の都市をめぐる状況が大きく左右される、、、前回とりあげたラテンアメリカでは、16世紀前半に植民地化された地域が18世紀初頭に独立、その後にヨーロッパの近…
『植えつけられた都市』の邦訳で2001年に京都大学学術出版会から出た「Of Planting and Planning」(1997)の第2版。Routledge,2013。副題は、「The making of British colonial cities」。著者のRobert Home教授をはじめとする、初版以降のこの分野の研究成果…
SIMIN DAVOUDI AND ALI MADANIPOUR編著、ROUTLEDGE、2015。 「ローカリズム」という概念や実践、およびそれに伴う可能性や課題について、世界的にみてもこれまであまり(ほとんど)検討がなされてこなかったと位置づけながら、この分野に接点のある専門家らが1…