「都心周辺複合創造市街地」のビジョンを考えます (2023.11.13更新)

先週末10月20日(金曜)に「街みちネット」主催のシンポジウムがあり(⇒2023.10.1の1つめの記事)、そこで「新しい「密集市街地」の価値づくりに向かって」と題する話をしました。そのあとパネルディスカッションがあり、このシンポジウム全体を通して、これまで「木造密集市街地」と呼ばれてきたエリアを、将来に向けてどのような価値ある場所としていくかのビジョンがうっすらと見えてきた気がします。

「木造密集市街地」という言葉は、問題を指摘しているだけでプラスの価値がイメージできない。めざすべき方向に名前がなければ方向を共有できない。

そこで目指すべき価値を表す名前を、と考え、仮につけたのが標題にある「都心周辺複合創造市街地」です。まだしっくりしません。また、「住宅」「居住」のイメージが薄いです。東京都のビジョンでは「木造住宅密集地域」を再生させる、との課題設定なので、たとえば「住宅」を入れることも考えられますが、「住宅複合」などとするといろいろな住宅が複合しているイメージではあっても、市街地として何を目指すかが伝わりません。

ということで、「都心周辺複合創造市街地」ととりあえずしてスタートします。

せっかくスタートするので、この頁に閉じるのではなく、「Vision 2034 Tokyo」に組み込みます。うまく組み込めるかどうか、進めながら考えます。
たとえば昨日の「都市探訪218」の「難燃難壊」も要素の1つに加えたいと思います。

試行錯誤しますので、しばらく落ち着かないと思いますが。

 

■他の大都市の「都心周辺複合創造市街地」
▢ 大阪
・西九条 (大阪と都市イノベーション(その5)より)

▢ ロンドン
・ハックニー区などの例 (ロンドンイノベーション(5)より)
・ダルストンの例 (ロンドンイノベーション(2)より)

 

■新しい研究成果など
・「密集市街地における小規模空地の利用実態に関する研究 ―墨田区京島2,3丁目の広場・緑地・ポケットパークを対象として―」(日本建築学会技術報告集28巻70号,2022。主著者は杉山和之)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/aijt/28/70/28_1453/_article/-char/ja/

「密集市街地における小規模空地の整備効果に関する研究」(日本都市計画学会)
(2023.11.12全国大会にて発表。主著者は宮崎友宏)

「東京のアフォーダブル住宅問題 : 過去・現在・未来」(『都市計画』365号,20-23 ,2023.11.15発行) 木造密集市街地のアフォーダビリティを地域ビジョンとして考察

 

■基本的考え方
・密集市街地再生フォーラム 2017での講演資料「変わる密集市街地整備」(UR主催)
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本記事を「【編集ノート】Vision 2034 Tokyo」に追加しました。追加の際、「都心周辺複合創造市街地」を構想する、というカテゴリー自体を新設しました。