エチオピア の検索結果:

『高地文明』

…カ、他)、チベット、エチオピア。 チベットを除くと、緯度の低いこれら地域の高地は、1)気候的に過ごしやすく人間にも動植物にも疾病等が少ない、2)外敵の侵入から守りやすい、との共通項に加え、高地ならどこでもよいというわけではなく、3)必要な木材資源等に恵まれている、4)水資源が得られる、5)比較的広い場所がとれる、6)高地に適応した栽培植物があり動物がいる。チベットは緯度が少し高いですが、2)~6)は共通しているともいえそうです。 これを気候適応の観点でみると、1)と5)は必要…

「Africa's Urban Planning Parimpsest」

…アフリカの都市化率をエチオピアの例でみると、ちょうどこれくらい。「都市」と言っている内容もそれを動かすエネルギーも違うし「都市化」の様子も異なる。そうすると、必要とされる「都市計画」や「都市計画法」もまったく違うものかもしれない。マスタープランに照らして適合する開発を許可する、というような、20世紀初頭に当時の先進諸国で確立した都市計画が(本物の)都市計画だなどと思っていると、道を誤ることになる、、、 2017年に出版された『The Routledge Handbook of…

世界の都市の進化と都市イノベーション[2024.4.29改訂]

…貧国”などと呼ばれるエチオピアのこの都市を「未来都市」的にとらえたもの。現在の問題解決ばかりでなく、固有のポテンシャルや未来の可能性に着目します。 都市の歴史を振り返れば、今私たちが暮らしている都市は、年輪のように各時代の都市が積み重なったものです(「都市はどのように進化してきたか」『事典1-1-1』)。それをどう評価し次の世代、次の世紀に伝えていくのか。 G-1 グローバルにみる「都市」の姿 G-2 都市の未来 : 途上国 G-3 都市の未来 : 先進国 G-4 社会の姿と…

『アステカ王国』『インカ帝国』

…れたといえそうです。エチオピア付近で「約400万年前、類人猿に近い彼らが意を決して木から降り、サバンナに足を踏み入れ」(文献3、Ⅰのp17-18)てから世界中に散らばった人類が4億人ほどにまで増え、ついに世界が一体化したのでした。[文献] 1.知の再発見双書19、創元社1992 2.同06、創元社1991 3.マクルーニ親子著(福岡洋一訳)、楽工社2015[関連記事] ・『Planning Latin America’s Capital Cities 1850-1950』(都…

アジスアベバ開墾(5) : 中産階級化の兆候〜21世紀後半に向けて

…あるテラスでおいしいエチオピアコーヒーを飲みながらくつろげるその雰囲気は、なかなかのものです。あえていうと、代官山を少し上に積み増しつつ複合度を高め、少しゴチャゴチャさせた感じでしょうか!?? ボレ空港から都心部に至る「アフリカ・アベニュー」の通り沿いは建設ラッシュ。これから数年のうちに大きく変貌しそうです。特にこの通りはアジスアベバに出入りする世界の人々が第一印象をもつはずの通り。建築工事ばかりでなく、沿道のいたる所でインフラ設備関係の工事も行われています。いくつかの大使館…

アジスアベバ開墾(4) : インフラ整備と都市エネルギーの未来

…チで進んでいますが、エチオピアならではの事業として、ここでは巨大ダム計画「Great Ethiopian Renaissance Dam」をとりあげます。ナイル川がスーダンで分岐して「青ナイル」となりエチオピアに入った所に建設中の、6000メガワットの発電力をもつこのダムは、完成すれば売電も可能な重要な産業施設です。けれども下流で最も影響を受けるエジプトから深い憂慮の念が示されたため、「エチオピアが必要なのは電力であって水ではない。一時的にせき止められても基本的に影響は小さい…

アジスアベバ開墾(3) : 多数の死者まで出したマスタープラン改訂の意味

…して人為的につくったエチオピアという国の、これもまた人為的にその境界を定めた首都であるとともに、オロミアの中心都市でもあります。 アジスアベバの人口が増加し将来もさらに発展しそうなため、現市境の外側に「Special Zone」をつくって都市計画をおこなうマスタープランの提案を2014年春に行ったところ、オロミアの土地に一方的に提案されたとの怒りが爆発。騒然となり、死者140名を出すまでに。その原因を探ると、大きく以下のように整理できそうです。構造的には、アジスアベバという都…

アジスアベバ開墾(2) : 誇り高き共生都市

エチオピアの周辺は、現代世界の人間の困難がすべて吹き出しているような、出口のみえない、出口どころか入口がまだどこにあるのかさえわからない、悲しい状況でいっぱいです。エチオピアだっていまだに「最貧国」であることは残念ではありますが、今回の「アジスアベバ開墾」ではその残念な側ではなく、希望の側を最大限見い出したいと思います。たとえば街をほんの少し歩くと、物乞いの老女や少女、赤ん坊を抱いた母親、靴磨きの少年、物売りの子供達や少年などに何度も声をかけられ、行き倒れのようにうつ伏せに倒…

アジスアベバ開墾(1) : “常春の”高原都市

…そういう目でみると、エチオピア歴代の首都の多くはどれも高原都市で、隣国のナイロビも高原都市(1600m)。中南米には最高標高の首都ラパス(3600m)があるほか、メキシコシティも高原都市(2200m)。古くはマチュピチュも高く(2400m)、当時の首都クスコはさらに高い場所にある(3400m)ばかりでなく現在でも人口30万人を擁する都市です。普通であれば近代化の中で「そんな高い所にあったら不便でしょうがない」と、港があるか港までほど近い場所が都市として成長するのが一般的だった…

『Urban Planning in Sub-Saharan Africa』

…調されやすいなかで、エチオピア諸都市がイタリアの一時的侵攻にもかかわらず「継承」を保ったとする第9章の分析が印象的でした。その前の第8章が、アジスアベバに全体主義的イタリア都市計画を適用しようとしてマスタープランが描かれた場面を詳細に描いていておもしろく、その象徴となる1936年プランは本書の表紙にもなっています。 第三。「継続」という意味では、植民地時代につくられた法制度がそのまま独立後もほとんど形を変えずに運用され都市問題がどんどんひろがっていく様子(この部分はあまり実証…

2100年の地球人口が112億人になるまで

…結果、アフリカでは2015年に比べ2100年の人口が倍以上になる国がいくつもあり、例えばエチオピアは1億弱から2億強に。ナイジェリアは2億弱から7.5億です。日本でも85年前の昭和の初めには6千万人代だったのが倍増しているので、この伸び自体はごく普通のことかもしれません。都市人口の増加はさらにこれを上回ると考えられ、これまでになかった種類の、超長期視点での都市計画や都市イノベーションが必要なのかもしれません。[資料1] https://esa.un.org/unpd/wpp/