地域が連携し「住みたい都市」をプロデュースする

「都市イノベーション・next」(全100話)スタート

都市イノベーションworld

アベニュー/ストリート/ブロック

ポートランドで最も興味をもったのは、およそ60m四方の小さな街区(ブロック)です。事前ミーティングでこのことが話題になり、「本当?そんな小さいわけないでしょ」などと、当初は信じられなかったのですが、歩いてみるとある意味、ポートランドという街の雰…

『THE PORTLAND EDGE』

とある仕事で、初めてポートランドに行ってきました。ごく短期間のため都市そのものへのコメントは控え、かわりに、ポートランド州立大学の教員らが中心になって2004年に同大学から発刊された標記図書について紹介します。 Conny P. Ozawa編。副題は「Challe…

紀元前後の都市人口

「1500年」からさかのぼって「1200年」「800年」ときました。最後は「紀元前後」とし、「100年」のチャンドラーの推定人口をみてみます。ローマ 450000 洛陽 420000 セレウキア 250000 アレクサンドリア 250000 アンティオキア 150000 アヌラダーブラ 130000…

800年の都市人口

「1200年」からさらにさかのぼって、まだ古代の帝国的な都市システムが力をもっていた頃の「800年」の都市人口をみてみます。 日本で平安京に都が移された頃、東アジアでは長安を中心とするゆるやかな都市文明が栄えていたのと同じように、コンスタンチノー…

1200年の都市人口

これまで、都市システムがグローバルに展開しはじめた「1500年」、産業革命に伴う都市の近代化への圧力が高まった「1850年」を都市イノベーションの節目として描いていますが、「1500年」の1つ前の節目を「1200年」とします。「1200年」の世界の都市人口を、…

雪山の大景観と地域イメージ

昨年1月早朝、横浜の研究室から南アルプスらしき雪山(甲斐駒ケ岳など)が見えていることを発見しました。一般にこの時期の景観はうっすらと冠雪した丹沢山系の左手にひときわ高い白妙の富士というもので、皆が見ているこうした都市景観は、それぞれの地域、そ…

1850年の日本の都市人口

NHK大河ドラマ『西郷どん』では先週、島津斉彬が新しい薩摩藩主となり、鹿児島に戻ってきました。1851年のこと。これからいよいよ西洋列強を意識した近代化に着手しますが、横浜にはまだペリーはあらわれず「漁村」状態。 城下町という都市形態が出てくる以…

『文化資本 クリエイティブ・ブリテンの盛衰』(ロンドンイノベーション(7))

2017.10に公表された「世界の都市総合ランキング2017概要版」(森記念財団)では、ロンドンが2位以下をさらに大きく引き離して1位となりました。 「Brexit」であんなに右往左往しているのになぜそんなに引き離せたのか? 右往左往しているけれども最後は「元の…

ロシアのゴーストタウン

ロンドンへの直行便がその上空を通過するシベリアの大地には、ロシア近代化を進めるための多くの単一機能都市があります。 BBCで本日放送された標記番組では、ロシアでは「12人に1人」「319都市」がゴーストタウン化で生活が危機に瀕しているとのこと。 羽田…

レッチワース再訪

毎年この時期に「理想都市」をテーマに90分の話をしています。産業革命と「近代化」に伴う都市問題を解決するべく、ニューラナーク、ソルティア、ボーンビル、ポートサンライトなどの試みがあり、やがてハワードにより「田園都市論」が提唱されレッチワース…

『コミュニティー・キャピタル論』

光文社新書921、2017.12.20刊。副題は「近江商人、温州企業、トヨタ、長期繁栄の秘密」。 この本が主題としている「コミュニティー・キャピタル論」からそれてしまいますが、売り手も買い手も世間も「三方よし」となる近江商人そのものの普遍性に惹かれ、「…

品川フィールド(その3) : 見えてきた面的イメージ

「品川フィールド」のプロジェクト群を自分なり名前をつけて列挙すると、1)旧車両基地区画整理事業(とビル建設事業)、2)泉岳寺駅改造事業(関連する再開発事業)、3)山手線新駅開発事業、4)環状4号線事業化(および品川駅北口広場設置)、5)リニア新幹線品川駅工…

『THE VILLAGE NEWS』 (ロンドンイノベーション(6))

TIM FORT著、SIMON & SHUSTER刊、2017。 都市に暮らすことで失ってしまう田園の豊かな環境。都市が拡大することで失われる田園の風景、、、。 しかし待てよ。そのような認識や嘆きは本当なのか? と疑い、自転車に乗ってさまざまなビレッジを回り、しぶとく…

メイフェア近隣計画がまもなく地元区に提出されます(ロンドンにおける近隣計画の最新動向(4))

「メイフェア」といえばロンドンを代表する都心部の高質エリア。 以前より、このようなエリアでどのように、どのような近隣計画を策定するのかに注目してきました。ここにきて計画素案の協議も終わり、いよいよ計画書の提出の段階にさしかかっているので、こ…

ロンドンイノベーション(5) : 地域企業を支えるワークスペース供給者の実像

昨日の記事『The Future of Planning』で紹介されていた「Delivering affordable workspace: Perspective of developers and workspace provides in London」(PROGRESS IN PLANNING 93号(2014))という文献によって、ロンドンイノベーション(2) 「オリンピッ…

『The Future of Planning』

Yvonne Rydin著、Policy Press 2013刊。副題は「Beyond growth dependance」。 「growth-dependent(開発依存型)」都市計画を改革して「well-being」を目標とする都市計画をめざすための基本的考えと具体策を描いた論説的啓蒙書。低成長を前提とする、新しい…

1650年の日本の都市人口

先週末11月4日の日経新聞朝刊文化欄に、「変わる室町観」と題した記事が掲載されました。小見出しの1つに「応仁の乱は地方分権」との表現も。この記事自体は都市計画というより歴史学的視点のため、少し角度を変えて、日本史上はじめて、「都市」という形態…

『Remaking Post-Industrial Cities』

産業とりわけ工業に特化した都市が1970年代から80年代にかけて衰退したあと、どのように立ち上がりつつあるのかを報告し合った基礎的テキストブック。アメリカからバッファロー、デトロイト、ミルウォーキー、ニューオリンズ、ピッツバーグの5都市が、ヨーロ…

彦根と都市イノベーション

NHK大河ドラマの万千代(幼名虎松)がやがて井伊直政となり彦根を与えられた際、石田三成の居城だった佐和山城を壊して、西方約1キロの彦根山を中心に建設された城下町彦根。 天守閣築城400年を2007年に祝った城下町彦根では本年(2017年)、410年祭がおこなわれ…

纏向遺跡再考〜グローバルな視点から

2013.2.5に書いた「纏向遺跡」が、本ブログのリンク集「日本の都市と都市計画」の最初の記事になっています。国内に限れば、最初の都市はここだったのではないか、との評価が現在のところ動いていないことによります。(将来動くかもしれない) しかし「2世紀…

分けることと混ぜること

「シェア・アパート」を扱ったおとといの記事で「Use Class Order」のA用途、B用途、C用途、D用途、およびそれらのどこにも所属しない「特定用途」について書いてみて、さらにそれらをめぐる現代的騒動(1つはオフィスから住宅への転用が許可無しでできること…

「全国まちづくり会議2017in横浜」の開催迫る(10/7土,8日)

「都市計画家協会」が開催する「全まち」が、いよいよ今年は横浜で開催されます。 https://www.jsurp.jp/全国まちづくり会議/現段階の上記URLをみると、横浜をめぐるさまざまなまちづくりがすべて出そろうような勢いで、ということはこの分野の関係者がたく…

『PROSPERITY WITHOUT GROWTH』(Second Edition)

政府レポートとして2009年3月に執筆されたものが評判となり、2010年にEarthscanから出版(2012年に邦訳『成長なき繁栄』)。17の言語に翻訳されたものに大幅に手を加え2017年にRoutledgeから出版されたのが本書です(Tim Jackson著)。地球環境からの制約と、行…

『CITIES IN CIVILIZATION』(その5) Book Fiveに代えて

千頁に迫るこの図書の最後の50頁ほどがBook Five「The City of the Coming Golden Age」となっていて、これまでのOneからFourを統合して未来を予測しようとする内容なのですが、本書が刊行された1998年から既に約20年が経過しており内容が古くなっています。…

『CITIES IN CIVILIZATION』(その4) Book Four

タイトルは「The Establishment of the Urban Order」。 Book Oneがアート(ギリシャからはじまる)、Book Twoが技術、Book Threeがアートと技術の融合ときて現代まで達したあと、このBook Fourでは都市の秩序づけを扱います。むしろ、都市が破綻しないように…

ロンドンイノベーション(4):クロスレール開業(2018.12予定)を控えた都心再生

ロンドンイノベーション(1)でとりあげた「London Overground」に続いて、「Crossrail」が2018年末に開業を予定しています。ロンドン西方のヒースロー空港やレディングから発してロンドン都心主要部を通過し、東方のストラットフォード方面などへ抜ける主要幹…

『謎のお雇い外国人ウォートルスを追って』

明治の前半に日本で活躍した外国人技術者は約2300名におよび、土木建築分野だけでも約150名が確認されるといわれます。 1982年に刊行された『明治の東京計画』(藤森照信著)において「幕末の長崎に忽然と現われ、明治維新と交叉し、そして彗星のように一筋の…

『大不平等 エレファントカーブが予測する未来』

ブランコ・ミラノヴィッチ著(立木勝訳)、みすず書房2017.6.12刊。原著は2016年Harvard University Press。タイトルは「GLOBAL INEQUALITY」。副題は「A New Approach for the Age of Globalization」。実際の内容は訳のタイトルより原題と原副題が忠実で内容…

祇園祭と都市の姿(京都と都市イノベーション(その4))

曳山の先が電線に妨げられて、「おいおい、このマンションの前、ちゃんと持ち上げてないやん」と急ぐでもなく上空を見上げていると、木の長い棒が持ち込まれて、ヒョイよっと、3本の線を次々にくぐって前進。周囲からは暖かい拍手が。 3年前には、交通整理等…

横浜居留地と都市イノベーション(その2)

「横浜居留地改造及競馬場墓地等約書(1866(慶応2)年=第3回地所規則)」に先立つ「横浜居留地覚書(1864(元治元)年=第2回地所規則)」の第1条では「吉田新田への各国軍事訓練所、および競馬場の設置」が規定されました。「軍事訓練所」と「競馬場」が冒頭に並列…