災害に備える

大規模地震(南海トラフ/首都直下)対策関連2法の新たな動き

地震規模の想定が上がりそうだとの新聞報道や、せっかくつくった「津波防災地域づくり法」の活用が進んでいないとの新聞報道などがこの1週間ほどで出ています。こうした雰囲気の中、本日手元に届いた『都市住宅学』83号の中で都市防災が専門の加藤孝明氏は「…

復興文化論 日本的創造の系譜

「破壊や災厄はしばしば取り返しのつかないほど巨大な変更を文化にもたらす。しかし、不可逆的な遷移のなかでも、破局に向けて一直線に雪崩れ込んでいくのではなく、復興期やという窪地のなかで自分たちの文化的財産をシャッフルし、そこに新しい生命を吹き…

震度別にエリアと遭遇人口が即座にわかるJ-RISQが試験公開されました

防災科学技術研究所が10月16日、J-RISQと呼ばれる地震速報の試験運用をはじめました。 まずは次のURLを。 http://www.j-risq.bosai.go.jp/report/ 直近では昨日(10月20日)に2つの地震例が出ていました。震度3以上が対象です。 少しさかのぼり、9月20日の震度…

木密地域不燃化10年プロジェクト(その5)

東京都が昨日、不燃化特区の新たな予定地区27地区(1400ha)を発表しました。 http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2013/10/20na2100.htm 取組内容はこれから精査され、来年4月からのスタートです。ちょうど昨日の『地域創造論』で2020年までに目標とすべ…

地域危険度測定調査(東京都・第7回)結果公表

昨日東京都が『地域危険度測定調査(第7回)』の結果を発表しました。 http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/bosai/chousa_6/home.htm 危険度の評価結果である5段階の「ランク」は相対評価であるため、絶対的な危険度が改善されていても他の町がもっと改善さ…

木密地域不燃化10年プロジェクト(その4)

昨日東京都が新しい『震災対策事業計画』を公表しました。その中で、1)「不燃化特区」を現在の12地区から2015年度までに50地区程度へ拡大し、2020年度までに当整備地域での焼失ゼロ(不燃領域率70%)を実現すること、2)「特定整備路線」(災害時の延焼遮断等に…

全国主要都市戦災概況図

今朝の日経新聞の「文化往来」という小さなコラム欄に、国立公文書館で9月20日まで開催されている「全国主要都市戦災概況図」の展示会に関する記事が掲載されていました。 インターネットサイトで「実物展示の終了後も画像を閲覧できる」とされていたため、…

盛土造成地の被害

3.11から2年半を前に、8月、はじめて仙台の盛土造成地被害の現場を歩きました。 最も被害の大きかった場所の1つで、防災集団移転促進事業区域となり、「高台移転」と同様に復興公営住宅や他の造成宅地に移転するスキームが動いています。とはいえ現場は今で…

関東大震災から90年

7月13日から横浜の3会場で『関東大震災90周年』展示会が開催されています(10月14日まで)。 7月20日に封切られた映画『風立ちぬ』でも関東大震災がアニメの形で描かれており、こういう表現もあるのか、こういうことでもあったのかと驚いた余韻をもったまま、3…

大規模地震対策等を推進する3法案の審議

衆議院に与党が提出した大規模地震対策等を推進する3法案の審議が6月24日に災害対策特別委員会に付託されました。その災害対策特別委員会の6月25日の議事録をみると、法案提出の主旨が簡潔に説明されています。 http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf…

木密地域不燃化10年プロジェクト(その3)

昨日28日午後、「大規模災害復興法」が衆議院を通過し参議院に送られました(本ブログ記事はこちら)。同日、南海トラフ地震対策最終報告書が公表されました(⇒内閣府URL)。ちょうど先週土曜(25日)午後の都市住宅学会公開市民フォーラムのテーマも「密集市街地…

災害復興の日本史

安田政彦著、吉川弘文館(歴史文化ライブラリー361)、2013.2.1刊。 「いつの時代にも災害からの復興は容易ではなかった」が、「どれほどの激甚な災害が起ころうとも、人々は懸命の努力をもって復興を果たしてきた」(プロローグより)との視点から、淡々と災害…

「大規模災害復興法(仮称)」

昨日の日本経済新聞が報じたこの件については現段階では裏付けがありませんが、重要な内容ととらえフォローしていきます。 記事によればこの法律は、1)対策本部の設置、2)国による被災地の業務代行、3)農地転用の規制緩和の3点を主な内容として大災害時の対…

防潮堤連続インタビュー(Web Plannersより)

『Web Planners』の連続インタビューの(6)が3月1日にアップされました。 かなり具体的に議論が整理されてきていて、いつも教えられます。 まだ連続すると思われますが、リンクさせていただきます。 (1)http://webplanners.net/2012/11/16/234/ (2)http://web…

震災復興国際シンポジウムを開催します

中国の3つの大学(四川大学、北京師範大学、華東師範大学)の研究者らをお迎えし、横浜国立大学が主催する震災復興国際シンポジウムが横浜で開催されます。日中双方からの報告をもとに、実践的な研究課題等につき議論が展開される予定です。是非ご参加ください…

かながわ都市マスタープラン(津波対策編)[素案]への意見募集中です【2013.4.24編集】

津波浸水予測図の公表(2012.3)を踏まえて、「かながわ都市マスタープラン」に追加される「津波対策編」の素案が神奈川県のHPに出ています。1月24日までが意見募集期間。 http://www.pref.kanagawa.jp/pub/p533281.html(神奈川県HP) 藤沢や鎌倉、逗子等にもか…

災害復興・地域再生の新たなしくみ【☆ブログ内記事のリンクファイル。2016.5.17更新】

個別の単発的なプロジェクトではなく、地域が主体となった「災害復興・地域再生の新たなしくみ」のようなものが少しずつ見えてきました。 そこで、「災害復興・地域再生の新たなしくみ」と思われる事例を、「東日本大震災」というカテゴリーにとらわれず横断…

南海トラフの巨大地震に関する被害想定(第一次・内閣府)

既に数字は非公式に出回っていましたが、さきほど内閣府から正式に、南海トラフの巨大地震に関する被害想定(第一次)が発表されました。さっそくメディアを通して「南海トラフ死者最大32万人」などの報道がなされています。 (内閣府のHPへ)http://www.bousa…

防災対策推進検討会議最終報告(素案)骨子とWG中間報告

昨日、「防災対策推進検討会議(第12回)」が開催され、最終報告(素案)骨子が示されました。既に3月に中間報告が示されパブコメも行われた経緯があるため、今回はむしろ別途公表された「首都直下地震」「南海トラフ巨大地震」の2つの対策検討WG中間報告が新た…

「特定整備路線」(東京都)と首都直下地震(木密地域不燃化10年プロジェクト(その2))

今週木曜日に、東京都が「木密地域不燃化10年プロジェクト」にもとづく「特定整備路線」候補区間(23区間、延長約23キロメートル)を発表しました。これらは、災害時における延焼遮断等に大きな整備効果が見込まれるとして早期に街路整備をはかるものです。…

都心周辺低層高密度市街地の居住環境整備論

大学院授業で自己紹介をしていて思い出した、「四半世紀前」の博士論文です。 既にどこにも見当たらなくなってしまったため、図書館のリポジトリに入れてもらいました。 http://hdl.handle.net/10131/7886 ダウンロードできます。 首都直下地震で震度7とな…

災害を乗り越える地域づくり

ブックレット『災害を乗り越える地域づくり』(横浜国立大学地域実践教育研究センター編)を発刊しました。手にとりやすいA5版フルカラーで130頁ほどのコンパクトな本です。 内容は「対応力を育むコミュニティ」「災害に強い社会インフラ」「レジリエントなエ…

「不燃化特区」(東京都)と首都直下地震(木密地域不燃化10年プロジェクト(その1))

首都直下地震(東京湾北部地震)で震度7の揺れが生じる可能性のあることが3月7日に公表され、各方面で実際的な対策もはじまっています。 東京都が1月に発表し、2月から各区に説明している「不燃化特区」もその1つ。 http://www.metro.tokyo.jp/INET/BOSHU/2012…

新シリーズ「災害に備える」をスタートします

昨晩に続き今朝も地震がありました。 3月1日。本日から、カテゴリー「東日本大震災」とは別に、いつ起こるかわからない今後の災害に備えたまちづくり、都市計画などについて綴っていきます。 過去にはさかのぼりませんが、1つだけ、「津波防災地域づくりに向…

津波防災地域づくりに向けて

12月27日の記事(http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20111227/1324961951)の続編です。 このときまだ「決定」段階だった「基本的な方針」が1月16日に告示され、津波防災地域づくり法に関する法令、解説、問合せ先などを一括したURLができました。 http://www.mlit…