都市, 生物 の検索結果:

『カワセミ都市トーキョー』(都市は進化する201)

…が、本日、『カワセミ都市トーキョー』という、本ウォークにピッタリの新書を見つけました。平凡社新書1049。2024.1.15刊。 p53に示された「カワセミ生息の後退図」によれば1950年頃までには見かけなくなった古川-渋谷川流域のカワセミですが、気づいてみると身近にみられるようになっていた、と。 著者(柳瀬博一氏)の分析(と推測)によると、一度絶滅した川辺のこうした生物が「新しい野生」として復活。同じカワセミといっても「古い野生」としてのカワセミとは生息方法が異なり、食べて…

『都市と緑の人類史』(都市は進化する197)

…4年の第一話は、今、都市が向かいつつある新しい方向について。 「日経サイエンス」の2024年2月号の書評欄(正確にはサイエンスライター「森山和道の読書日記」)にこの本が取り上げられていて、飛び付きました。原題は「Urban Jungle」。日本語タイトルでは大きすぎ、原題では過激すぎるように見えるその内容は、「都市を再野生化させる。未来の都市生態学へ。」とする帯の解説が最も的確に示していると思います。 ベン・ウィルソン著(森夏樹訳)、青土社2023.11.10刊。 「都市が気…

都市探訪110 生物再生

生物再生・都市再生と共に(東京ガーデンテラス紀尾井町) 🔖検索 「テラス」

『気候適応の日本史』

…砂漠地帯でも」人類は都市をつくってきたばかりかこのドバイ―アブダビ地域は1000万人の巨大都市圏にならんとしているエネルギーを感じました(⇒ドバイ開墾(8))。もちろん、「屋内型モールをそんなに造って、地球環境のこと考えているのか」と批判することも可能ですが、それは、「地球史が始まって以来初めて気候帯の束縛を完全に打ち破った生物種」の問題ともいえます。(本書では人類のみが特別な存在としますが、生物もその進化によって人類よりはるかに多様な気候・場所で日々生きているものと思われま…

『時間の終わりまで 物質、生命、心と進化する宇宙』(AIは世界をどう変えるか(その5))

…者か数学者なので、「都市は進化する」をめざす私はいわば素人。「時間の終わり」の方ではなく、「今に至る宇宙の歴史を貫く原理」に大きな魅力を感じました。 ブライアン・グリーン著、青木薫訳。講談社2021.11.30刊。 140億年前のビッグバンからはじまり地球ができ生命が誕生し人間へと進化し現在へと至る140億年の歴史を、「エントロピー(の増大)」と「進化」というたった2つの原理から書ききろうとした理論物理学者の大作です。が、決して諸説あるところや未解明の部分は無理やり確定しよう…

‘アーバン・ベア問題(クマの市街地出没)’と都市計画

…驚いたことに、近年の都市計画の成果によって(他にも要因があると考えられるがここでは都市計画に関連しているという驚きを強調してこのように表現する)、クマが緑の軸を伝って市街地へと誘導され、突然ショッピングセンターの駐車場に出没してしまう、といったこれまでになかった「事件」が増えていると。東京大学出版会から出版された『アーバン・ベア』(佐藤喜和)の解説的文章であるこの論説をよく読んでみると、なかなかおもしろいので以下、一部引用しつつ主観的に書きとめます。 「アーバン・ベア」はこれ…

「発明は必要の母である」(『銃・病原菌・鉄(上)(下)』)

…幸運をもたらしたのが都市の台頭だった」(上p377)とのくだりには、ゾッとさせられるものがありますが、、、 しかし本書がおもしろいのは、狭い専門性を超えて「1万3000年にわたる人類史の謎」に、著者独特の(ユーモアも感じさせられる)きわめて論理的な(論理的にみえる)歴史上にみられる知見の操作によって、全体を貫く法則のようなものに近づこうとする態度です。標題の「発明は必要の母である」とのタイトルを論じる第13章も、一見「逆でしょ」(ふつうは「必要は発明の母」)と思う「世界の常識…

大気の質や公衆衛生の観点から不服申立てが却下されたはじめてのケース

…ます。この記事では、都市計画ガイダンスが2019年11月に改訂されて、大気の質向上のために都市計画の役割を強化した(⇒関連資料2)ことに注目し評価しています。ただし、実際の運用は地方自治体に任されたものの財政的・人的支援の無いことはあまり評価できないと、自らの立場(都市計画担当者協会の議長)から発言。それでも人々が健康に都市に住まうことの重要性をアピールしようとするこの論説の中で、以下のようなケース(判断事例)を紹介しています。 ここでようやく本記事のタイトルに。ロンドン近郊…

『時のかたち』

…89)との見方から、都市(計画)にかかわりそうなものを探すとたとえば、「拡張されるシリーズ」と「さまようシリーズ」があげられます。前者の例として「前五世紀のギリシャ地方の建築芸術の反映は、それ以前にすでにギリシャの都市が地中海西部の植民地にまでひろがっていたという有利な状況を反映していた。ローマ帝国の建築も、伸長する植民地建設から同じように利益を得ていた」(p.216-216)。後者について、「その変化が最も現れているのは、よく知られているように、中世ヨーロッパ建築の中心が地…

【in evolution】イノベーションの源泉(2022.12.30更新)

…書き出してみると、「都市イノベーション」を生み出す源泉は、「人的資源」「科学技術」「政策制度」「地域連携」に加え、「都市が生み出すイノベーション」に分けられることがわかりました。仮にこれらを統合する「都市イノベーションモデル」を図化してみます。その際、2020年の新型コロナウイルスのような「その他」の要因も追加してみました。 「【コンセプトノート】都市イノベーション」が各論だとすると、この「【in evolution】イノベーションの源泉」はその裏付けとなる理論編といえるかも…

『進化は万能である 人類・テクノロジー・宇宙の未来』

…、2011.9.6に都市計画家石川栄耀の都市計画観と関連して議論し、2011.11.8の「3.11」からの集落復興についてそう表現したのが最初の3つでした。(本記事含め58件) 本書で都市の進化そのものを議論しているのは第5章「文化の進化」においてですが、その分量は多くはありません。むしろ、すべての章を通して「進化」というものがどういうことか、「進化」という切り口では難しいと考えられてきたことが最近の成果によりどこまで進化的に理解可能になったか、自分が行おうとしていることは「…

EU離脱とイギリス都市計画の課題

…EU離脱後のイギリス都市計画の課題がいくらかまとめて書かれています。まだ投票結果が判明した直後の記事ではありますが、論点を少し整理しておきます。 第一。EU法で決めていた環境影響評価や生物生息地、大気の質などを国内法で決め直す必要がある。その際、イギリス独自の考えを出せる面もある。こうした課題はむしろ時間がかかると予想される離脱過程で処理していくことになるだろう。同様に、EU財源による不況地域政策等も国内版に切り替えていく必要が生じ、地域的な浮き沈みに結果するかもしれない。 …

『里海資本論』

…も、これからの日本の都市や地域のありかたを考えるうえで勇気を与えられた本の1つです。 「ローカルからの発想が日本を変える、世界を変える。」とのテーマでこの10月からはじめた本年度の『地域創造論』で里海についてもとりあげ、今週月曜日に、統合的海洋教育・研究センター長のN先生に、「里海」「SATOUMI」の経緯・現状・可能性についてレクチャーしていただきました。『里海資本論』が瀬戸内海を舞台にしているのに対して、レクチャーでは東京湾が舞台。ちょうど1964年のオリンピックの頃を境…

地球進化46億年の物語

…イアミに至るすべての都市が内陸都市になる可能性や、今後1000年以内に海面が30m以上あがってボストンもニューヨークもフィラデルフィアも水没し、オランダやバングラディシュやモルディブなどは国自体がなくなっているかもしれないと述べ(モルディブについては⇒2014.8.25記事)、現在にちかづいてきます。そしてこれからの100年間。「私たちが行動を起こすのは、“地球を救う”ためでは決してない。45億年以上、激しい変化の中を生き続けてきた地球を、私たちが救う必要などない」「もし地球…

生物に学ぶイノベーション 進化38億年の超技術

…のように使いこなして都市や社会をイノベーションしていったらよいかについては、まだまだ考えるべき点が相当ありそうです。[関連記事] ・「MAKERS 21世紀の産業革命が始まる」(都市イノベーション読本 第70話) http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20121120/1353375098 [人間という生物の生き残りについて関係ありそうな記事] ・「2050年の世界地図 迫りくるニュー・ノースの時代」(都市イノベーション読本 第45話) http://d.…