GDP の検索結果:

江戸期日本の経済力 (都市は進化する275)

…の1820年、日本のGDPは米国より大きく、約1.65倍あった。人口も米国の約3.1倍。これが教科書にない19世紀日本が独立を保てた要因だ。」 ここでは『概観』の中から、abcに関連する最低限の数字をあげてみます。(日本のみに着目。GDPはドル) 1000 1500 1600 1700 1820 1870 1913 1人当たりGDP 425 500 520 570 669 737 1387 人口 (万人) 750 1540 1850 2700 3100 3444 5167 な…

AIによる世界のGDP押し上げ効果(AIは世界をどう変えるか(その6))

…知能(AI)が世界のGDPを2030年には15.7兆ドル押し上げるとの予測が紹介されています。「pwcによる」と書かれている出典の手がかりから引用元を探すと、「Sizing the prize」と題する報告書であることがわかりました。(⇒資料。2017年に発表) 「15.7兆ドル」との規模は、2020年のおよそ85兆ドルの18.5%。本当は2030年の予測GDPと比較すべきですが、見当をつけるための数字です。かなりの額であることがわかりますが、この報告書を読むと、いろいろなこ…

地域人材育成の観点から『資本主義の新しい形』を読む

…くシフト。発表されるGDPが伸びないのは「無形」資本の増大をキャッチできていないばかりか、キャッチする方法も確たるものがなく、さらにいえば、日本企業では「無形」資本の重要性に気づくのがおそく(気づいてさえいない、あるいは気づいていてもどうしたらよいかわからない、役員会で理解がない)、なんとかしなくてはいけない。 ということで2005年の研究成果が表になっているのですが、この研究では無形資本を「情報化資産」「革新的資産」「経済的競争能力」の3つのカテゴリーに分けています。結果を…

『世界経済史概観 紀元1年-2030年』

…の1820年、日本のGDPは米国より大きく、約1.65倍あった。人口も米国の約3.1倍。これが教科書にない19世紀日本が独立を保てた要因だ。」 アンガス・マディソン著(政治経済研究所 監訳)、岩波書店2015.6.26刊。 もちろん、紀元1年から2003年までの(副題に2030年までとあるが2003-2030年は単純な予測のためあまり参考にならない)世界じゅうの経済状況を「GDP」という1つの指標で語りつくした点こそがこの本の最大の魅力で、「人口」指標を並立することで「1人当…

『デジタル国富論』

…び出てくるように、「GDP」という尺度だけを目標としていたのでは社会が豊かにならない。というより、本書的にいえば、「GDP」という測定方法に欠陥があるだけであって、実態としての「生活満足度」は上昇している。(がゆえにそんなに悲観的にならなくてよい。) 第二.しかし本書の内容は「無形資産化」のような経済学の方向には向かわず、第一であげたように、事実として「(国別平均値としての)生活満足度」が上昇しているのだから、その上昇分が何によるのかをつきとめようとの方向に向かう。 第三.本…

「ブータンの国民総幸福度指標(GNH Indicators)の変遷に関する研究」(GNHと都市計画(その3))

…析したものです。 「GDPに代わる指標が必要だ」ということで、各国でさまざまな試みや提案がなされてきましたが、政策体系としては断片的なもの、あるいは一部にとどまるものが多い中で、まがりなりにも国政レベルで体系的に新たな指標を整備・開発・普及・活用してきたブータンという国。決して既に皆が幸福というわけでなく、さまざまな政策や公共投資を行い活動の成果を評価する際に「GNH」を重視しましょうというアプローチです。 緊急事態宣言もなされ、「先が見えない」どころか「明日もわからない」よ…

『PROSPERITY WITHOUT GROWTH』(Second Edition)

…、p58で世界各国のGDPと幸福度の関係(同じくらいのGDPでも幸福度は大きく異なる)を示したあとp61において、「繁栄とは短期的な覚醒と長期的なセキュリティとの良好なバランス関係である」と定義。つづく「Bounded capabilities for flourishing」においてセンの議論と関係づけるなど、目標とする「prosperity」の要件や内容を深く吟味しています。 第二。政策を議論する第9章「Towards a ‘Post-Growth’Macroeconom…

世界の都市の進化と都市イノベーション[2024.9.26改訂]

…8 ・基本的視点2(GDPと人口の世界史) https://tkmzoo.hatenadiary.org/entry/2021/02/22/215047以下、5章構成です。 世界のほうは「A」「B」「C」「D」「E」、日本のほうは「a」「b」「c」「d」「e」が対応する目次です。基本的には「世界」ABCDEが物語の骨格となっており、「日本」abcdeはその骨格の各所と関係しながら国内の物語が語られています。 第1章 古代都市文明と都市システム 地球上のどこに、どのように「都市…

検証・2050日本復活(4)生活中心化/地域個性化

…D平均に引き上げるとGDPは4%増加、北欧並みに引き上げるとさらに4%増加するととらえて、保育施設の増加や税制改正のみならず、「深く染みついた企業慣行や社会の意識」(p101)を変えるべく、システムそのものの大胆な改革を提言。移民によりカバーする分野との総合的効果も検討されています。 両親とも働いているとなると、果たして「居酒屋が軒を連ねていた昔の光景はなく、家族向けのレストランが並んでいる」ことになるかどうか不明ですが、とりあえず、「彼は満開の桜に彩られた2050年春の日本…

『さらば、資本主義』

…近い発想です。また、GDPにかわる指標としては、個人ベースの「幸福度」ではなく「公共のハピネス」(『経済成長神話の終わり』の著者アンドリュー・J・サターの言葉)の維持・増進に注目したいと思います。来月、“GNHの国”ブータンに行く予定です。何か「開墾」できたらまた報告します。[関連記事1] ・『21世紀の資本』(都市イノベーション2020 第68話) http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20150104/1420340297 [関連記事2] ・『「空間」…

新・観光立国論

…施策だけではせいぜいGDPの現状維持にしかならず、かといって移民受け入れには消極的な日本では「短期移民」つまり(できるだけ滞在日数が長く、リピートする)観光に力を入れるべきで、2020年の見込み数はマクロに見積もると5600万人。2030年には8200万人と目標を設定すべきであるとする新・観光立国論。 世界の観光立国をひろく分析するなかから、日本の中でしか通用しない俗説を相対化しつつ真に必要とされ効果的と考える処方を描いています。景観や文化財のありかたや見せかた、日本のもつ資…

街中の外国人

…0万とも。30兆円のGDPのうち観光は2兆弱」と昨年8月に書いたばかりですが、このような大きな変化は他国のことだけではなさそうです。 試しに同じ伸び率40%をオリンピック年の2020年まで掛け続けると1億人。これはなさそうなので20%を掛けていくと2020年には5000万人。他国の状況が変わらないとすると、2013年には27位だった外国人入国数が2015年に(1980万人とすると)16位、2020年にはイタリアと同程度となり5位です。 円安効果などたまたまこの間あった要因がな…

シンガポール

…るなか、国民1人当りGDPは世界でもトップクラスです。いくつかの注目すべき特徴を、この観点からまとめてみます。 第一。マルチカルチャー。あの小さな島に世界中の人々や文化や街並みが詰まっている。訪れる人も同じ。東西南北の交差点。 第二。都市国家。東西南北どこに移動しようとしても、すぐに外国。飛行機はすべて国際線。ものの取引はほぼすべて輸出と輸入。海峡に所狭しと並ぶコンテナ船はその象徴。常に入りと出により新陳代謝。 第三。海外からの観光客は少し前に1000万人を超え、今は1500…

災害復興の日本史

…災害の直接被害額の対GDP比は、関東大震災35.3%、阪神・淡路大震災2.1%、東日本大震災6.8%(34兆円)とされます(p245)。関東大震災の傷の深さがわかります。最近しばらくGDPは毎年500兆円ほどのため、首都直下地震の被害推計112兆はGDP比22%ほど。これでもたいへんですが、南海トラフ巨大地震では1000兆円に達するとの声もあり、それはGDP比200%と気が遠くなりそうな額です(既に国と地方の借金がGDP比200%ほどに膨れ上がっている)。 このような不安を抱…

THE EVOLUTION OF GREAT WORLD CITIES

…リチャード・フロリダの第2話)。そうして蓄積された富はバブル崩壊のような短期的変動はあったとしても長期的にみればさらに蓄積される傾向にある。」 このように要約してみて、ふと8月24日のIWI(Inclusive Wealth Indicator)の記事が気になりはじめました。GDPのようなフローの「生産」面で経済をみるのでなく、「生産」で得たものを何に「消費」したかが重要で、その「消費」された姿こそが都市のインフラや建物や文化、そこに集まる人材の能力となっているとの見方です。

包括的な豊かさ(inclusive wealth)に関する報告書

GDPに代わる「豊かさ」を表す指標はないだろうか、との課題に対する1つの提案として、2012年6月17日に本レポートが国連から発表されました。 https://wedocs.unep.org/handle/20.500.11822/32228先日公表された『日本再生戦略』(2012.7.31閣議決定)ではすかさず、「この報告書では、物的資本(機械、建物、インフラ等)、人的資本(人口、教育、技能等)、自然資本(土地、森、化石燃料、鉱物等)から構成される資産の規模を評価しているが…