都市は進化する
本年1月1日のNHKBS1スペシャルに登場したマッツカート教授(ロンドン大学UCL)の『ミッションエコノミー : 国×企業で「新しい資本主義」をつくる時代がやってきた』(NewsPicksパブリッシング、2021.12発売)を翌日読んで、もう少し理論的で突っ込んだ議論がない…
「木造密集市街地」も徐々に防災性能や住環境水準が上がり、そろそろ「これからどのような市街地をめざすの?」という社会ニーズにこたえるべきフェーズに入ってきました。たとえば東京都では『都市づくりのグランドデザイン(2017)』において「木造住宅密集…
「Levelling-up and Regeneration Act 2023」が10月26日の裁可により成立し、本日からようやく「Legislation.gov.uk」サイトで検索できるようになりました。 https://www.legislation.gov.uk/ukpga/2023/55/contents/enacted 本記事を「【研究ノート】Levell…
『21世紀の資本』(山形浩生ら訳、みすず書房2014.12.8刊)から、はや9年。もうすぐ2024年です。ただし、2023.8.22に日本語版の出た本書(山形浩生/森本正史訳、みすず書房)は新型コロナ前までの状況に基づいている(出版は2019年)ので、『21世紀の資本』の続編…
本日、『都市計画』365号が送られてきました。「都市空間のアフォーダビリティーを問う」という特集で、「東京のアフォーダブル住宅問題 : 過去・現在・未来」という論考を掲載していただきました。 1990年代初頭のバブル期には東京でも「アフォーダブル住宅…
先週末10月20日(金曜)に「街みちネット」主催のシンポジウムがあり(⇒2023.10.1の1つめの記事)、そこで「新しい「密集市街地」の価値づくりに向かって」と題する話をしました。そのあとパネルディスカッションがあり、このシンポジウム全体を通して、これま…
新御堂筋・歩道拡幅中/2037完全歩道化めざす 🔖検索 「御堂筋」「歩行者」「大阪と都市イノベーション」
先週末にY先生から研究室メンバーにメールが回り、本日21時より標記の放送があるよと。さきほど終わったのですが、再放送やオンディマンドもあると思うので記事にします。なかなかよくできていました。 これを機会に、こうしたテーマ、特に空き家になっても…
「街みちネット」が主催するシンポジウムが2023年10月20日の午後開催されます(=第31回見学・交流会)。(⇒資料1へ) 本年6月に開催された第30回見学・交流会にはオンラインも含め多数の参加があり、近年開園した東池袋の「イケ・サンパーク」も含めた東池袋地区…
2023年9月4日の上院「報告ステージ」第5日目において、修正案191Aについて採決があり、「158対149で採択されたようです」と、(その11)の中に昨日追記したのですが、「採決されたようです」の部分をより明確にしたいと探したところ、「the public whip」とい…
本日、北陸新幹線の敦賀延伸が2024.3.16(土)に決まったと発表されました(⇒資料)。 昨年の台風15号による大雨で静岡付近が豪雨のため東海道新幹線がストップし、大混乱に巻き込まれた経験から、2022.9.27の記事で、「「東海道新幹線が止まると国土の枢要部の…
毎年10月22日に京都で開催される「時代祭」。 桓武天皇が794年10月22日に平安京に遷都したその日を祝います。 その桓武天皇についての最新の研究成果および新たな仮説群をひとまとめにした図書が2023.8.18に出版されました。岩波新書1983。著者は瀧浪貞子。 …
ロンドンのウエスト・エンドといえば劇場街。その街で新築物件としては50年ぶりとなるSohoplace Theatreを紹介する記事が、FT Weekend(8/12,13日号)に出ています。オフィス市場縮退のあとの新たな文化機能に注目した記事で、50年前のバービカンなど、1990年…
並行して取り上げているロンドンOxford Streetの再開発をめぐる国の介入(⇒関連記事)は、既に許可となっていた再開発計画に国が介入して「却下」となったばかりのホットな話題です。 それに対して本日とりあげるLiverpool Street駅の大改造計画は本年になり具…
この世の中に唯一の世界史というのはないので、いわゆる世界史という意味で括弧付きの「世界史」がいかに形成・変容したかについて書かれた図書が2023.6.30にミネルヴァ書房から出ました。著者は南塚信吾。 聖書に描かれた世界史からはじまって、19世紀後半…
地元Westminster区も、ロンドン市長も、インスペクターも揃って「可」とした再開発計画に対し、大臣が「否」とする通知を出し(2023.7.20。⇒資料)、大きな話題になっています。 対象となる建物はロンドンの繁華街Oxford Streetに面して建つ(主要なファサード…
テムズ川を遡上します。 今年もつい先日(6/27~7/2)開催された「ヘンリーロイヤルレガッタ」。 テムズ川沿いには、イギリス文化を代表する数々のイベントやその「聖地」などがあり、また、イベントがなくても日常的に独特な都市文化・都市生活が展開し、「テ…
私 : 2025年の大阪万博の海外パビリオンが、まだ1つも申請がないそうだね。建設業界の人手不足や資材高騰が問題らしいけど。 A氏 : 準備期間が短くなると、凝ったデザインのパビリオンだと間に合わないしね。 私 : つい最近の京都新聞の社説では、万博の延…
「品川駅街区」と呼ばれる、現品川駅から八ツ山橋に至る長細い敷地の開発計画が次第に明らかになってきました。地元説明会も間もなく開催されます。 その位置づけは、第38回国家戦略特区東京圏区域会議(2022.10.14)でなされましたが、東京都によりガイドライ…
2022年7月23日にオープンした「静岡市歴史博物館」。まもなく一周年です。 その3階にあがったところに、「静岡」のイメージを一新する視点場があり驚きました。「一新する」といってもされたのは私なので、勝手な話ではありますが、かなり一新された。「視点…
昨日、「三島市地域公共交通網形成協議会(次回より公共交通協議会)」に出席した帰り道、三島駅北口直近に「葉山珈琲 with さのびアートスペース店」という独特の雰囲気のある店が目に留まり(以前はなかったと思う)、入ってみるといろいろな発見がありました(…
6月19日に開催された区域会議(合同)で2件の都市再生プロジェクトが提案され(東京都分)、これで51件となりました[⇒資料]。 資料の1頁目をみると、諸プロジェクトのおよその分布がわかります。51件を区別に集計して多い順に並べてみます。 港区 19中央区 11千…
本記事をもって、「【編集ノート】ポスト・コロナ社会の新ビジョン」を閉じます。 2023.5.8に新型コロナが「第2類」から「第5類」となり、社会生活もほぼ「新型コロナ前」並みとなりました。本日2023.6.7で1か月が経過するのを機に、<結>とします。<結>びに…
2023.5.27の日経新聞「読書」欄に書評が出ているのを見て、これは重要そうだとすぐに読んでみました。フランシス・フクヤマ著、新潮社2023.3.15刊。会田弘継訳。 原題は「LIBERALISM AND ITS DISCONTENTS」なので、ほぼそのままです。 既に2か月以上前に日本…
奈良の「山の辺の道」に魅せられて構成する「Urban Walk」第二弾。「丘の辺の道」。 「海の辺の道」とペアになり「Vision 2034 Tokyo」の中に組み込みます。 Urban Parks and Gardensの一部を取り込みながら、特徴ある地形の間を縫い、さまざまな風景に出会…
奈良盆地の「山の辺の道」をこの春歩き、都鄙境を縫うように連なり都市の生活文化・歴史・自然を統合するその道の魅力に引き込まれました。 「Vision 2034 Tokyo」にも入れられないだろうかと。 そこで1つめが「海の辺の道」。 空海陸3つの「ゲートウェイ」…
M2のK君が先日のゼミで「デジタル村民」による山古志村の新しい試みについて発表した際、ブロックチェーン技術などの複雑な内容がてんこ盛りになっており、「mmm…」と考えていた数日後、たまたま家の本棚に並んでいた『Phronesis』No.23の「2050年、社会課題…
数日前に新しい品川駅舎のイメージ画1枚が報道されたばかりですが、5月16日には「53 Playable Park」とネーミングされたオープンスペースコンセプトとともに、街の名称を「TAKANAWA GATEWAY CITY」と決定したことが伝えられました。(下記pdf) 新品川駅舎のほ…
「銀スカ」には乗り遅れてしまいましたが(⇒2023.5.11記事)、三愛や銀座コアの建替などが進む「変化の予兆」を感じてみようとぶらぶらしていると、ヤマハビルの前にカフェの案内が。 入ってみると、2階のCD売場が一掃されてカフェになっていました(CD売場は崩…
2019年に世界遺産になった仁徳天皇陵(百舌鳥古墳群)を上空から眺めようとの試みがまた延期されました。世界遺産をこのように活用してよいのかなどのさまざまなハードルがあり、今回も一種の「社会実験」的期間。近いうちに「今度こそ上がります」と発表され…