インド の検索結果:

『LE CORBUSIER’S CHANDIGARH REVISITED』

…ガールにかつて住み、インドで学士号をとった後アメリカに移り住み今はワシントン大学教授(建築学)のVIKRAMADITYA PRAKASH氏が綴った待望の書が出ました。「待望」しているのは私だけかもしれないので少し説明すると、これまでチャンディガールは「あんな人間性の薄い近代都市計画の見本のような都市は大嫌い」という反応と、「コルビュジェのつくったチャンディガールは世界遺産になったんだから、オリジナルな部分はそのまま保存すべきであって、それに反する不動産開発などもってのほかだ」…

「南アジアにおける国家形成の諸段階」(『世界歴史04』)から考えるインド都市の位置づけ

…でよいのかと、本日はインド都市を例に考えてみます。 標記論説が収められている『世界歴史04 南アジアと東南アジア ~15世紀』(岩波書店)が出版されたのは2022.5.27で、この地域に関する最新の研究成果にもとづき書かれたものと考えます。また、世界の都市の歴史の中で、「人口規模上位5都市」にインド都市があらわれるケースをBC430から1500年までとって表にしてみました(チャンドラーの推定値による。数字の単位は「万人」。BC430は同数で洛陽とメンフィスが10万人。1100…

400年の都市人口

…ア(クテシフォン)、インド(パータリプトラ)、中国(建康など)それぞれの文明のこの時期の中心地が名を連ねます。後に最盛期を迎える長安が顔を出しています。テオティワカンはメキシコシティの北50キロにある当時の文明の中心地。 現在は廃墟(古代遺跡)となっている都市も含まれていますが、ローマのように超衰退したのち復活して大都市になっている都市もあります。日本の人口はこのとき、全部集めても100~150万人しかおらず、「都市」そのものが未発達。このチャンドラーの表の上位に日本の都市が…

災害に備える

…ージーランド、日本、インド、インドネシア、アメリカで起きた近年の大災害からの復興に関する比較分析です。たまたまですが、視聴率超低迷のNHK大河ドラマ『いだてん』では一昨日、関東大震災後の様子が描かれました。下町全体が焼失したため、実際には災害直後に大公園等が避難所となり、上野公園50万人、皇居外苑30万人、芝公園20万人、日比谷公園15万人、浅草公園10万人などだったとされます。番組ではそのあとのバラック(仮設住宅)建設場所の不足が課題となっていました。19日の伊藤滋先生の講…

アイ・ハヌム : もう1つのアレクサンドリア

…スを祀るだけでなく、インド・イランで信仰されていた太陽神ミトラの顔も持ち合わせていた。つまり、ギリシャの古代文化は現地の文化と融合・共生することで多民族が交流する拠点都市となりえたのである。 第四。しかしアイ・ハヌムの繁栄は150年ほどにおわる。この「文明の道」は5集から成り、アレクサンダー大王の東征からはじまりローマ時代を経てヨーロッパとアジアの文明が強く結ばれていく進化の過程を近年の考古学的成果をもとにリアルに描き出しています。とりわけアイ・ハヌムもそうであったように、「…

紀元前2000年の世界の都市人口

…事1))[中国4件、インド2件]となっています。このメソポタミア35件のうち19件がイラク、6件がシリア。人口でみるとおよそ1万くらいから10万に届くか届かないかくらいまで。まだ、メソポタミアを統一したバビロン(イラク)は出てきません。という全体的文脈のなかで、ここでは紀元前2000年の推定都市人口を並べてみます。 ■紀元前2000年の都市人口 ウル 65000(イラク) メンフィス 60000(エジプト) テーベ 42500(エジプト・幅があるので中間値) ギルス 4250…

『practicing utopia』

…最後の家』で描かれたインド独立時の大混乱。分離独立したパキスタンには難民があふれ、独立したインドにも逆方向の難民があふれます、、、 本書で印象的な場面の1つは、このような中でデリーでは新都市計画(グルガオンを含む6つの衛星都市等を含む)が大胆に構想され、パキスタンにも新首都イスラマバードが新国家の望みを託した新都市としてつくられていく場面です。パンジャブ州の旧州都ラホールがパキスタン側に分離されたため新規にインドパンジャブ州(とハリヤーナ州)の州都としてつくられたチャンディー…

『RULE BY AESTHETICS』

…を描いたこの書で、「インドのバンガロール、コルカタ、デリーを扱った第3部「New Solidarities」は圧巻というか壮絶。特に第11章のデリーのスラム撤去をめぐるストーリーはまさに「Art of Being Global」の象徴といえる内容でした。」ととらえていました。この第11章の著者が本書の著者です。このときは「圧巻というか壮絶」ととらえましたが、本として通しで読んでみると「鮮やか」さが目立ちます。 もう一つは、『CONTESTING THE INDIAN CITY…

世界の中産階級

…続きます。そのあとがインドで2400万人。以下、多くの国が続き、計6億6400万人。大陸別ではアジアの3億300万人がトップ。これが1つ前の記事の空港の性格変化(⇒関連記事)に関係します。 第二。では、それぞれの国の中で中産階級が占める割合はいかほどか。中産階級率に加え、()内に「中産階級プラス富裕層率」を示します。さらに、{1−中産階級プラス富裕層率}の値を[ ]に示します。1位がオーストラリア66.1%(80.3%[19.7%])、2位がシンガポール62.3(78.3[2…

1500年の都市人口

…ヴィジャヤナガル(南インド)500000、3位がカイロ400000です。 2位のヴィジャヤナガルは沿岸部にマンガロールやカリカット等多数の港をもつ南インドの中心都市。 このあとチャンドラーの推定では、杭州250000人、タブリーズ(イラン)250000人、イスタンブール200000人、ガウル(インド西ベンガル)200000人が続きます。 このあとようやくパリの185000人が出てきます。イタリア都市もそのあとちらほら。当時、ロンドンはまだ数万人にすぎなかったようです。まだ人口…

世界の都市の進化と都市イノベーション[2024.4.29改訂]

…した諸国だけでなく、インドもアラブ諸国も、ある意味日本も、国内法、とりわけ不動産関連法を変えて外資を導入。都市の風景が大きく変わりました。 第7章 都市と都市計画の未来 G.都市の未来 「未来都市」へ。これまでの都市のつくられ方を読み取りながら2100年くらいまで延ばしていくとどうなるか。「アジスアベバ開墾」は、一般に“最貧国”などと呼ばれるエチオピアのこの都市を「未来都市」的にとらえたもの。現在の問題解決ばかりでなく、固有のポテンシャルや未来の可能性に着目します。 都市の歴…

【in evolution】世界の都市と都市計画(2024.4.29更新)

…史04』)から考えるインド都市の位置づけ (2023.3.14) https://tkmzoo.hatenadiary.org/entry/2023/03/14/150708 ・『古代文明の基層 古代文明から持続的な都市社会を考える』(2017.5.18) http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20170518/1495109279 ・紀元前600年の世界の都市人口 (2018.12.11) http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/201…

『GLOBAL GENTRIFICATIONS』

…ン、アブダビ、リオ、インド、カイロ、イスラエル、ソウル、カラチ、ブエノスアイレス、タイペイ、イスタンブール、プエブラ、ベイルート、ラゴス、中国、サンティアゴ、マドリード、ダマスカス、ケープタウンです。(国名の場合はその国の諸都市)本書の特徴は、取り上げられている都市名・国名からわかるとおり、いわゆる英米その他の先進都市の観察にもとづく「gentrification」が果たして普遍的なものなのかについて疑問を持ち、さまざまな国で「gentrification」とはどうとらえられ…

Sunken cities (アレクサンドリア開墾)

…ンダーを撃退した古代インド文明のみならず、古代アレクサンドリアへの興味が湧いてきました。本ブログの『十二世紀ルネサンス』、あるいは2009年の映画『アレクサンドリア』などにより、現代科学の基礎を築いたアレクサンドリアという都市の魅力にますます引きつけられていたところです。 このたびの大英博物館の展示はそのアリクサンドリアが繁栄する一歩手前の時代の交易都市についての考古学的成果のようです。この考古学チームは20世紀の終わり頃に、アレクサンドリアそのものの海中に没したエリアの考古…

『PARTICIPOLIS』+『開発なき成長の限界』

…ck 2015)。 インドの諸都市、特に著しい“世界都市化”の動きとスラム居住などの都市問題とが併存する大都市、とりわけムンバイ、バンガロール、ハイデラバード、デリー、チェンナイを議論。中間層の台頭とともに、RWA(resident welfare association)と呼ばれる近隣主体が注目されています。力のあるエリート層の住むRWAは政府に頼らず自らの近隣の価値を維持・増進できるのに対して、貧困層が多く住まう近隣では生存に必要なインフラも確保できず声も通らない状況が描…

CONTESTING THE INDIAN CITY

…タンに行く際、途中、インドアッサム州の州都グワハティーに立ち寄った(ティンプーに着いたと思い降りそうになったことは笑い話となっている)ことや、8月にドバイに行った際、ちょうどムンバイの上空あたりを通過したことなどもあって、以前から気になっていた『Worlding Cities』(⇒関連記事)の姉妹本ともいえるこの本を読んでいます。ネオリベラリズムがインドの諸都市に強く影響を与えるようになり、都市計画にかかわるガバナンスがどのように変化しているのかを、主体間相互の争い(cont…

ドバイ開墾(3) : 自由と寛容

…が寄港地として適し、インドから東アフリカに至る広域の拠点としての歴史をもちます。 イスラムの国でありながらあらゆる国の人々を広く受け入れています。というより、広く受け入れることをドバイの国是とし、フリートレードを率先して進め、広い意味での投資を促す環境(制度やインフラ)をつくり、人材(talent=フロリダの2つめのT)や技術(technology=3つめのT)を受け入れるだけでなく多くの実験的プロジェクトを通してイノベーションを起こしてきたのだと思います。フリーゾーン(経済…

ドバイ開墾(1):世界の要

…、ヨーロッパなどからインドやパキスタンなどの母国に戻らずJターンの地として選択する人々などにより、1975年に10万人台だった人口が、40年後の現在、220万人ほどに(隣接するシャールジャを合わせると300万人)。 このような「世界の要」としての特長はいつから発揮されていたのかさかのぼると、そもそも都市として発生した当初からだったようにみえます。ヨーロッパとアジアとアフリカの要に位置し、アラブ世界の新しいビジネスやライフスタイルの拠点として政治的にも治安の面でも安定した場所を…

目黒通りアンティーク家具街(その2)

…」へ。 ありました。インドネシアにオーダーし製作されたものです。 どんな工場(工房?)でつくっているのか、ホームページに出しているのか尋ねると、「いくつもの業者と取引している。同業者もいるのでホームページにも書いていない」ようです。電子情報のやりとりではなく、スケッチなどを書いてインドネシアに持っていき、細かいところは向こうでやってもらっている様子。 ちなみに購入したテーブルは既に新デザインのものをオーダー済みで、もうすぐ東京港に運ばれてくるとのこと。前回の(その1)の店のア…

ホイアンからダナンへ

…に世界遺産に登録されました。 ダナンは南北に長いベトナムのちょうどまん中あたりにあり、インドシナを横切る回廊が東の海に出る結節点として近年急速に発展中。皆口をそろえて「住みやすくよいところだ」といいます。 ダナンからホイアンにかけてのエリアはリゾート施設や住宅開発などがさかんに行われています。今の100万のダナンの人口が将来300万になるとき、他の都市地域にはあまりない、ワークライフバランスが独特の、国際的にも注目されるユニークで魅力的な都市地域に進化する姿が目に浮かびます。

A HISTORY OF FUTURE CITIES

…セポイの乱のあと現地インドの文化を重視しつつイギリス風近代化を取り入れ世界中の人が交差するコスモポリスとなっていました。この時点での国際化は「西洋化」であり、それぞれ最も純粋かつ先端的な形で「未来都市」は誕生していました。 しかしその後、劣悪な労働環境や不平等・不公正への異議申し立てからはじまった民主化運動やそれに続く革命・戦争等によって国内は混乱状態となり、やがてこれら3都市はロシア、中国、インドそれぞれの風土・文化に根ざした都市へと変容しつつそれぞれの形で国際舞台に復活し…

WORLDING CITIES

…国)やバンガロール(インド)に参照されていくさまが描かれます。グリーン・アーバニズムを論じた第2章ではハワードの『田園都市論』までさかのぼり、新たな観点からモデルとしての意味を解読していきます。これだけなら「よくある話だね」オシマイ、となりそうな雰囲気ですが、インドのバンガロール、コルカタ、デリーを扱った第3部「New Solidarities」は圧巻というか壮絶。特に第11章のデリーのスラム撤去をめぐるストーリーはまさに「 Art of Being Global」の象徴とい…

都心周辺低層高密度市街地の居住環境整備論

…くなってしまったため、図書館のリポジトリに入れてもらいました。 http://hdl.handle.net/10131/7886 ダウンロードできます。 首都直下地震で震度7となる地域が広がると予想されるなど、さらに真剣に災害に備える必要性が指摘されています。昨日もインドネシアで大きな地震がありました。 データは古いですが、むしろ現在と比較すると「差」が見えてくるはずです。また、基本的に変化しない歴史的蓄積のようなものもかなり分析されています。 何かのお役にたてれば幸いです。

THE MODERN CITY REVISITED

…ビューの方法により体系的に整理しています。 『初学者のための都市工学入門』(鹿島出版会、2000)ではブラジリアに加えインドのチャンディガールを取り上げ自分なりに表現しているのですが、やや古いモノサシによる評価になっている可能性があり、(次の版が印刷される場合には)表現の見直しも考えているところです。しかしまだ確定的・断定的に表現できるほどの材料が無く、しばらく時間がかかりそうです。 [4/11追記:『建築雑誌』2001年4月号p78-79に日本語の抄録が掲載されています。]