アフリカ の検索結果:

『The City Makers of Nairobi』

…析することで、それはアフリカの人々によってであったという結論に達する希望の書。 Anders Ese and Kristin Ese著。Routledge,2020刊。 7章180頁の本編に続く「エピローグ」では、ケニア独立後のナイロビが語られ、今のナイロビに達しています。私たちはどうしても「fragmented city」などの見た目の名前を与えてしまいがちですが、そんなことはない、きわめてロジカルで一貫した特徴ある動きをしているのだと。一言でいえばそれは「people-c…

『森と木と建築の日本史』(都市は進化する84)

…では柱はカメルーンのアフリカケヤキ、梁はカナダのイエローシダーに頼らざるをえなかった。こんなことでよいのだろうかと、寺社林をもっと近くに再生させようとの動きがはじまり、伊勢神宮でも将来の式年遷宮に備えた育林事業がはじまっている、、、と。 最新のテクノロジー活用による古材の年代推定(というより確定に近い)話なども盛り込まれ、建築とりわけ古建築を見る目が変わる、都市を見る目も変わる、秀逸な書だと思います。 [関連記事] ・諏訪の御柱祭https://tkmzoo.hatenadi…

「アフリカ新秩序の模索(NHK激動の世界をゆく)」で描かれたドローンの活躍について

…「ジップライン」で、アフリカでの運用はルワンダに次ぎガーナが2番目。日本の豊田通商が出資。ジップラインはガーナ政府(保険省)から輸送費のみを得る。医薬品は、拠点にはストックしているだけで、受け取った医療関係者が支払う。ジェトロのHP資料によると、最初の基地局オメナコ(首都アクラから北に60キロ)には20機のドローンがあり24時間体制で運営。配送先は120カ所あり1日約45件を受注(2019年末時点)。順次500カ所まで拡大の予定。他に3基地局をつくり全国2000カ所の医療施設…

Right Sizing

…ア」に住んでいるのはアフリカ系アメリカ人で、歴史的な差別等によってそうなっていることを踏まえないこうした提案は、そうした人々をさらに立ち退かすことになり二重の差別になるのだとしています。 「Viewpoint」に続くのが「Commentaries」。以上の議論に対して6人の論者がさまざまな見解を述べていて興味深いです。1,2,4番目だけ短く紹介すると、まず1番目の論者は批判された当事者本人が反論しており、「Right Sizing」の都市計画の必要性を再度強調します。2番目の…

『Garden cities and colonial planning』(都市は進化する40)

…視点から対象を選定(アフリカ、パレスチナ)・構成して“田園都市”の影響について考察した、「このような組み合わせは初めてだけど(なので)、これまでにない発見があった」と言えそうな図書です。面白さのエッセンスをいくつか書き出してみて、「ハワードが提唱した“田園都市”は〇〇にどのような影響を与えただろうか?」との問いに含まれるいくつかの切り口を見出してみます。第1~3章がフランス系アフリカ旧植民地・保護領への影響(モロッコ、セネガル、マリなど)、第4章がイギリス人プランナーが描いた…

ドバイ万博(2021.10.1開幕)と「ハイパーループ」

「中東およびアフリカ地域では登録博として初めての開催」といわれるドバイ万博が10月1日に開幕します(2022.3.31まで)。 そのテーマの1つとなる「モビリティ」に関連して、ここでは現在検討途上にある「ハイパーループ」をとりあげます。「ハイパーループ」はチューブの中を時速1200キロメートルで移動する未来型の乗り物で、ドバイ-アブダビ間を12分で結ぶ(サウジアラビアでも検討されており、リヤド―アブダビ間48分)というものです。 本ブログでは「ドバイ開墾(8)」(2015.9…

『Routledge Handbook of Urban Planning in Africa』

…15)がサハラ以南のアフリカ諸国の近代都市計画史を体系的に描いていたとすると、同じ編者による、少し突っ込んで新しい芽をみようとしたアフリカ都市計画の最新動向です(ペーパーバック版は2021年発刊)。どう突っ込んだかについて編者の言葉をそのまま引用すると、 「in particular at the nature and capacity of local self-government and the role of urban governance in Africa, e…

『ティムール以後   世界帝国の興亡1400-2000年』(都市は進化する5)

…80-1900年に「アフリカ分割」が起こった時も為政者たちはさほど真剣には考えていなかったと。そうしているうちに第一次世界対戦でヨーロッパ内部で争いとなり、それが第二次世界大戦まで続き、戦後は植民地が次々に(国家としての力も脆弱なまま)独立していった、、、と、これまでの「大きな物語」を打ち消すようなストーリーが時代を追って紡ぎ出されます。 第三。日本と中国とがヨーロッパから最も遠い、最後まで食い込めなかった国として描かれ、他にも多くのところで(程度の差こそあれ)そうだったと(…

「SDGs時代の都市計画を考える~グローバルな視点から」:Make cities and human settlements inclusive, safe, resilient and sustainable

…の都市計画を考える~グローバルな視点から」について書いたのが本稿です。具体的には、「グローバルな」ということで、アフリカとイギリスと日本の都市計画を「SDGs」という同一のゴール(目標)のもとに並べ、先進国-途上国のようなステレオタイプのものの見方に陥ることなく、同時代的な課題を解決しようとする「都市計画」の現状や課題や解決への糸口について整理しようとチャレンジしたものです。 [関連資料] (⇒Progress社のHPへ) 『持続可能な地域創生 SDGsを実現するまちづくり』

『氷川丸ものがたり』(建造⇒貨客船⇒病院船⇒引揚船⇒貨客船⇒引退)

…か)CNNの番組で、アフリカで活躍する病院船「アフリカ・マーシー(船体には「mercyships.org」と書いてある)」の活動風景を見たばかりです。 2つめ。その規模感。1930年に誕生した氷川丸の経緯について、「横浜船渠は明治26年(1893)に船舶の修理を目的に渋沢栄一と地元の財界人らにより創立された。大正5年(1916)に造船を始めたが、7千トン級以下の貨物船17隻を建造しただけで、客船でもある氷川丸の建造はまったくの初体験だった。横浜船渠の設計スタッフは32人だった…

『貧乏人の経済学』

…g of the Way」の多くは共通するものと思われます。ちょうど先週は、「SDGs時代の都市計画を考える ~グローバルな視点から」という原稿ができたところで、その中でアフリカとロンドン(イギリス)と日本の都市計画のこれからを同じ土俵で議論してみたところでした。訳者の山形氏のあとがき(訳者解説)も「アジスアベバにて」とされているのが印象に残りました。 [そのアジスアベバについての記事] ・アジスアベバ開墾(1)〜(5) (2017.1)(1) (2) (3) (4) (5)

「Africa's Urban Planning Parimpsest」

…現在(2019年)のアフリカの都市化率をエチオピアの例でみると、ちょうどこれくらい。「都市」と言っている内容もそれを動かすエネルギーも違うし「都市化」の様子も異なる。そうすると、必要とされる「都市計画」や「都市計画法」もまったく違うものかもしれない。マスタープランに照らして適合する開発を許可する、というような、20世紀初頭に当時の先進諸国で確立した都市計画が(本物の)都市計画だなどと思っていると、道を誤ることになる、、、 2017年に出版された『The Routledge H…

コロンブスより約500年前にアメリカ大陸に上陸するも<発見>には至らず(『図説・大西洋の歴史』(その1))

…。ヨーロッパのこともアフリカのこともアメリカのことも。けれどもどうしても自分の中で埋められない場所がある。それは、「日本からさまざまな国に出かけていき」ではどうしても埋められない「大西洋」という場所。正確には、大西洋を取り巻く国々や諸都市間の交流や進化。 この夏、その「大西洋」について少し埋めてみようと、『図説・大西洋の歴史』という本を読み始めました。マーティン・W・サンドラ著(日暮雅通訳)、悠書館、2014刊。 11章構成の第1章「大西洋-暗黒の海」。この章だけでも発見はい…

1200年の都市人口

…カイロ−バグダードとアフリカ側の地中海等に沿ってイスラム都市が並び、セビリアとパレルモ(シチリア島)が向き合っていた。向き合っていたどころかイスラム勢力からセビリアをスペイン側に取り戻したのは1248年。南イタリアに到来したノルマン人がイスラム支配下のパレルモを陥落させたのが1060年のこと。「取り戻した」「陥落させた」などと書くとそうした一面だけに注意がいきがちですが、このような国際都市においてこそ当時最先端だった科学をアラビア語から翻訳して「十二世紀ルネッサンス」が花開い…

『大不平等 エレファントカーブが予測する未来』

…険です。とはいえ、「アフリカの国民所得がなぜまだ伸びてこないのか?」「アメリカではなぜこんなに較差がひろがっているのか?」「貧乏なある国に生まれたが故のハンディ(裕福な国に生まれたがゆえのメリットを本書では「市民権プレミアム」と呼ぶ。)を克服するための「移民」という手段はどれだけ正当化されるか?」などをグローバルな視点で考える1つの材料にはなりそうです。[関連記事] 1.『21世紀の資本』 http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20150104/14203…

『CITIES IN CIVILIZATION』(その3) Book Three

…花栽培労働者としてのアフリカ系住民の音楽と、アパラチア山脈を越えてミシシッピデルタに流入した下層白人系住民の音楽とが融合してまったく新しい音楽を創造。これも、汎用技術のおかげでレコードやラジオの音楽媒体がArt(音楽)を大衆化。 けれどもハリウッドは「スタジオ」を中心とする巨大システムが、テレビの登場などで維持できなくなり衰退。メンフィスのピークも1948-56の短期間とされます。ArtとTechnologyが Marriageした20世紀までを一通り描いたこれまでの20章で…

1492年 : レコンキスタと大陸発見

…ジルから「東回り」でアフリカやアジアを通り日本付近までがポルトガルの勢力範囲。その日本付近から太平洋をまたいで南米のブラジルの手前までがスペインの勢力範囲。これまで気づかなかったのですが、この線によると、種子島を含む日本列島の大半はポルトガル側、北海道の東半分がスペイン側です。なんと乱暴なことでしょう。けれどもその500年前の乱暴な出来事が、レコンキスタの終結による住み分けも含めて、そのままその後の世界の歴史となるのでした。最後に。これが最も重要な点と思われる第四の点。レコン…

『イブン・バットゥータと境域への旅』

…ラルタル海峡をはさむアフリカ側のタンジール出身。)の足元を固めるためその背後にあるサハラ越えの地域との結びつきをしっかりしたものにしようとする、歴史的・政治的な意図のもとにバトゥータに課された命令だったのではないかと。さまざまなサハラ越えルート沿いの都市や地域での生活の様子がかなり詳細に描かれていることをその理由にしています。 第四。本書に盛り込まれた地図の詳細さ。その頃、どのような都市と都市がどうやって交易していたか。何を交換していたかが詳しく記されています。渡すものはこち…

【in evolution】イノベーションの源泉(2022.12.30更新)

…6620969 ・『アフリカ希望の大陸 11億人のエネルギーと創造性』 http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20161118/1479438620 ・『なぜ近代は繁栄したのか』 http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20160829/1472441463 ・砂村新左衛門 http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20160112/1452606020 ・『銀座・資本論 21世紀の幸福な「商売」とはなにか?』 http:…

アジスアベバ開墾(5) : 中産階級化の兆候〜21世紀後半に向けて

…港から都心部に至る「アフリカ・アベニュー」の通り沿いは建設ラッシュ。これから数年のうちに大きく変貌しそうです。特にこの通りはアジスアベバに出入りする世界の人々が第一印象をもつはずの通り。建築工事ばかりでなく、沿道のいたる所でインフラ設備関係の工事も行われています。いくつかの大使館(日本大使館含む)、カフェ、中小規模のスーパーマーケット、レストラン、ホテルなどが並びます。 「郊外」といえる地域も急速に変貌しつつ拡大。まだ300〜400万人都市であることから、そのスピードは驚愕す…

アジスアベバ開墾(3) : 多数の死者まで出したマスタープラン改訂の意味

…内戦にも発展しうる(エチオピアでは大丈夫だと思いたいところですが、両隣には内戦状態の国や「崩壊国家」がある)、まさにアフリカにおける「国」の存立基盤や「首都(圏)」の計画根拠にかかわる重要なポイントといえそうです。 「葛藤を賢くマネジメントする」には相当な能力が必要。工学技術のみならず、人文社会等も含めたトータルな専門性・実践性と、都市や国を良くしたいというときの「良く」「する」ことについての共通目標づくりや遂行全般に関する能力の持続的進化が必要なことを、ひしひしと感じます。

アジスアベバ開墾(1) : “常春の”高原都市

…”にも取り組もうと、アフリカ連合の本部が置かれているアジスアベバから、5回の予定で、できる限りその未来を探ってみたいと思います。その都市像は(意外なことに)、一言でいうと、「“常春の”高原都市」でした。 アジスアベバの標高は2400m程度です。日本でいう冬場は乾季にあたり、毎日快晴。日中は20度をいくらか上回り、歩きまわると汗もかきますが、日陰に入ると低湿度のためさわやかで、“初秋の軽井沢”ともいえそうです。景観的にも、緑に包まれた高原の中に、ビルがポツポツ点在するといった感…

『アフリカ希望の大陸 11億人のエネルギーと創造性』

…、蟻の目視線からみたアフリカ像・アフリカ論です。「カンジュ」と「しくじり国家」がその根底にある視点・キーワードとなっています。特に「しくじり国家」というとらえ方および訳が絶妙。「しくじり国家(fail states)」は「失敗国家(failed states)」とは実質的に異なるとしつつ、「しくじり国家」に暮らす何億という人々のイノベイティブな「カンジュ」魂が綴られています。ここでは「都市イノベーション開墾」的視点から、アフリカ(の空間)認識について取り出します。そもそも「ア…

『Urban Planning in Sub-Saharan Africa』

…図書は、19世紀末にアフリカが植民地化されるなかで、既にその頃ヨーロッパで普及していた公衆衛生重視の都市計画が導入され、やがて、ゾーニングやマスタープランといった都市計画ツールが植民都市に適用されて、そのあと1960年代になってアフリカ諸国が独立していく、という歴史過程を扱っています。植民地化から独立まで100年に満たないことから、植民地化がもたらした影響を、断絶(rupture)か継承(continuity)か、という視点から読み説いているのが本書の特徴です。 CARLOS…

『OF PLANTING AND PLANNING』(Second edition)

…。特にこの第2版ではアフリカを含む第三世界の都市計画史の最新成果が加えられており、現代都市計画にかかわる際の重要な知見を提供してくれます。 第四。「イギリス植民都市計画史」がほぼカバーされています。これに例えば「スペイン植民都市計画史」が加わるだけでもかなりのカバー率になると思われます。是非読んでみたいと思います。 第五。イギリス本国(のみならず世界の)都市計画史で有名な都市計画家のワールドワイドでの仕事が多く紹介されていて、それだけでもかなりおもしろい。特に、何度も登場する…

2100年の地球人口が112億人になるまで

…15から2100年にアフリカは12億から44億へと32億の増。アジアは44億から49億へと5億の増です。2015から2050とそれ以降に分けると、アジアは前半が9億の増ですが後半は4億の減。それに対してアフリカは、前半が13億の増、後半はさらに19億の増と推計されています。 第三。その結果、アフリカでは2015年に比べ2100年の人口が倍以上になる国がいくつもあり、例えばエチオピアは1億弱から2億強に。ナイジェリアは2億弱から7.5億です。日本でも85年前の昭和の初めには6千…

AFRICAN CITIES Alternative Visions of Urban Theory and Practice

…回とりあげる本書も、アフリカ都市を対象にしつつ、それらを世界の都市(計画)の中に位置づけようとする、チャレンジングな内容。「Postcolonial cities」「(I)n(f)ormal cities」「Governing Africa’s cities」「Wounded cities」「Cosmopolitan cities」の5つがここでの切り口です。ルサカにはじまり、リロングウェ、アブジャ、ドドマ、ケープタウン、アクラ、ダルエスサラーム、ナイロビ、ザンジバール、ドゥ…

ドバイ開墾(3) : 自由と寛容

…て適し、インドから東アフリカに至る広域の拠点としての歴史をもちます。 イスラムの国でありながらあらゆる国の人々を広く受け入れています。というより、広く受け入れることをドバイの国是とし、フリートレードを率先して進め、広い意味での投資を促す環境(制度やインフラ)をつくり、人材(talent=フロリダの2つめのT)や技術(technology=3つめのT)を受け入れるだけでなく多くの実験的プロジェクトを通してイノベーションを起こしてきたのだと思います。フリーゾーン(経済特区)につい…

ドバイ開墾(1):世界の要

…ヨーロッパとアジアとアフリカの要に位置し、アラブ世界の新しいビジネスやライフスタイルの拠点として政治的にも治安の面でも安定した場所を提供できてきたことがそのベースとなり、そうした「ハブ」性を最大限発揮しようとの政治・政策がドバイ発展の原動力です。[関連記事] ・A HISTORY OF FUTURE CITIES (都市イノベーション読本 第100話) http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20130625/1372127319[参考] 「【コンセプトノー…

A HISTORY OF FUTURE CITIES

…う都市。ヨーロッパやアフリカと、アジアの急成長地域を結ぶ回廊の要に位置していることが地図をみるとよくわかります。例えば「flightradar24.com」というサイトをみると、地球上で現在飛行している何千もの航空機が地図上で把握でき、ドバイ国際空港に発着する飛行機が密度高く列をなしているさまが確認できます。極東に目を転じると、特に北米方面から太平洋を渡って成田、浦東、仁川等に向かう航空機の列が確認できます。このサイトで航空機の動きをみていると、現在の、そして少し未来の世界の…